理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
29 巻 , 1 号
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原  著
  • 藤井 綾, 井上 順一朗, 牧浦 大祐, 三浦 靖史
    2014 年 29 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕がんの進行や治療の過程で生じた能力低下により,がん患者は罹患前と同様に社会活動を行うことは難しい.本研究では消化器がん患者の退院後の社会活動に習慣的な運動が関与するかを検討した.〔対象〕外来診察時に調査が可能であった術後消化器がん患者53名を対象とした.〔方法〕自己記入式アンケートを実施し,community integration questionnaire(CIQ)日本語版を用いて社会活動状況の運動習慣の有無による違いを評価した.〔結果〕対象の43.4%に運動習慣があったが,CIQ総得点は運動習慣の有無による統計学的有意差を示さなかった.〔結語〕今回の対象者は健常者より社会活動が減少していた.要因として運動以外の身体活動の減少が考えられ,性や家族構成を配慮した介入が必要である.
  • 滝音 美里, 大西 健太郎
    2014 年 29 巻 1 号 p. 9-11
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢者における1分間のバランスパッド上での立位保持能力と歩行様式および転倒との関係性を明らかにすることとした.〔対象〕通所リハビリテーションを利用している高齢者37名(年齢82.9 ± 7.0歳)とした.〔方法〕対象者は,独歩である者(独歩群),歩行時に杖等を使用する者(杖群)の2群に分けた.また,立位時間測定後3カ月間に転倒をした者(以下,転倒群),転倒をしなかった者(以下,非転倒群)の2群に分けた.バランスパッド上での立位保持時間を1分間測定し,各群における関係性を検討した.〔結果〕立位保持時間は,独歩群の方が杖群に比べて長時間の傾向があった.また,非転倒群の方が転倒群に比べて有意に長時間であった.〔結語〕1分間のバランスパッド上での立位保持時間は歩行様式および転倒との関係性があると示唆された.
  • 岩田 晃, 樋口 由美, 小栢 進也, 佐野 佑樹, 片岡 正教, 奥田 邦晴, 淵岡 聡
    2014 年 29 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕動作課題に対する姿勢選択能力が歩行速度に与える影響を明らかにすることを目的として横断研究を実施した.〔対象〕地域在住健常高齢者120名.〔方法〕動作課題はseated side tapping test(SST)とした.姿勢選択能力は対象者が足幅を自由に決定するSSTと,足幅を30cmに規定したcSSTに要した時間の比で算出し,最大歩行速度との関係について検証した.〔結果〕姿勢選択能力が高い群と低い群の比較では,高い群の最大歩行速度が有意に速く,また,最大歩行速度を従属変数とした重回帰分析において,姿勢選択能力が有意な変数として選択された.〔結語〕健常高齢者において,姿勢選択能力が歩行速度に影響を与える重要な因子の一つであることが示唆された.
  • 平島 賢一, 樋口 由美, 石原 みさ子, 今岡 真和, 藤堂 恵美子, 北川 智美
    2014 年 29 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕Misstep(歩行時の踏み誤り)を評価指標とする課題観察時間を延長することにより,地域高齢者の転倒リスクが予測可能かどうかを明らかにすることとした.〔対象〕地域高齢者39名を,転倒歴により転倒群17名と非転倒群22名に分けた.〔方法〕10 mの歩行路上での連続4往復からなる平面的またぎ歩行課題を指示した.条件としてsingle taskとdual taskを設定し,所用時間とmisstep数の成績を歩行条件と転倒歴を要因として比較した.〔結果〕2往復以降において転倒群でmisstep数が有意に増加した.3往復以降では,dual task条件でmisstep数が有意に増加した.〔結語〕40 m以上の連続歩行におけるmisstep評価は,地域高齢者の転倒予測に有用である可能性が示唆された.
  • 北地 雄, 原島 宏明, 宮野 佐年
    2014 年 29 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中片麻痺者を対象とし,運動イメージ能力と歩行能力および歩行自立度との関連を検討すること.〔対象〕脳卒中片麻痺者28名.〔方法〕timed up and go test(以下,TUG)と10 m歩行の実行,および運動イメージによる心的時間測定を行った.運動イメージ能力は心的時間と実行時間の差とした.運動イメージ能力と歩行能力,および歩行自立度との関連はそれぞれ回帰分析,およびROC曲線を用いた.〔結果〕心的時間と実行時間,および運動イメージ能力と実行時間は中等度の相関を示した.TUG快適速度条件における運動イメージ能力は歩行能力,および歩行自立度とそれぞれ中等度の相関,および中等度の予測精度があった.〔結語〕歩行の運動イメージ能力は歩行能力および歩行自立度と関連がある.
  • 大河原 七生, 臼田 滋
    2014 年 29 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中片麻痺患者における視覚と支持面条件の違いが立位姿勢制御に及ぼす影響を検討し,感覚障害やバランス能力との関連性を検討することを目的とした.〔対象〕脳卒中片麻痺患者25名を対象とした.〔方法〕開眼と閉眼,硬い支持面と軟らかい支持面を組み合わせた立位保持の可否とその際の圧中心軌跡を計測した.また,触覚,振動覚,バランス能力と圧中心軌跡との関連性を検討した.〔結果〕閉眼条件や軟らかい支持面上では,硬い支持面や開眼条件に比べ総軌跡長が有意に増加した.総軌跡長は麻痺側触覚閾値と中程度の関連性が認められ,バランス能力とも有意な相関が認められた.〔結語〕脳卒中片麻痺患者は環境の変化に対応した適切な感覚情報を選択する能力が低下している可能性が示唆された.
  • 古後 晴基, 村田 潤
    2014 年 29 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕利き脚や組み脚習慣が立位姿勢の骨盤前傾角に与える影響を検討することとした.〔対象〕下肢・下肢帯に既往のない男子大学生24名とした.〔方法〕質問票にて,①利き手,②利き脚,③組み脚を調査した.その後,立位姿勢での骨盤前傾角を角度計にて測定し,左右で比較した.利き脚群と軸脚群,および組み脚上群と下群に分類し,それぞれ比較した.〔結果〕右側骨盤は左側より有意に前傾していた.また,利き脚群は軸脚群より有意に前傾しており,組み脚上群は組み脚下群より有意に前傾していた.〔結語〕骨盤は立位姿勢において歪んでおり,利き脚や組み脚の影響があると考えられた.
  • 門馬 博
    2014 年 29 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕属性の異なる運動イメージ能力評価法の相互関係性について検討することを目的とした.〔対象〕対象は健常者43名とした.〔方法〕質問紙法(VMIQ-2),メンタルクロノメトリー課題(iBBT,iTUG),メンタルローテーション課題(HLJT)を用い,測定値について相関分析,および主成分分析を行った.〔結果〕VMIQ2-KIとVMIQ2-EVI,VMIQ2-IVI,iTUG,HLJTの間に相関関係が認められた.主成分分析では主としてVMIQ2-IVI,VMIQ2-KI,iTUG,HLJTから構成される第二主成分が,筋感覚イメージに関係する主成分と考えられた.〔結語〕運動イメージ能力の評価には,質問紙と合わせてiTUG,HLJTを行うことが有用である.
  • 西守 隆, 伊藤 章
    2014 年 29 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ステップ長を増加させる運動学的な要因を明らかにする.〔対象〕被検者は健常成人男性6名とした.〔方法〕歩行動作を3次元動作解析(DLT法)し,下肢関節運動,骨盤回旋運動,接地距離,離地距離を測定した.「ふつう」程度の歩行速度(1.3 m/s)で,自然に歩いた自由歩行(ステップ長0.8 m)と意図的にステップ長を1 mに延長した拘束歩行の条件間で比較をした.〔結果〕拘束歩行では自由歩行より接地距離と離地距離の両方が有意に増大した.下肢関節運動には接地距離の増大にともなう一定の変化が見られなかった.一方,離地の瞬間の骨盤外旋角度と股関節伸展角度が拘束歩行で有意に大きかった.〔結語〕「ふつう」程度の歩行速度において意図的なステップ長の増加には,接地距離も増大するものの,離地距離の増大がより本質的なものである.
  • 吉永 龍史, 蓬原 春樹, 臼間 康博, 高橋 裕二, 星本 諭
    2014 年 29 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肺葉切除術の術後呼吸器合併症の発生率および合併症に影響を及ぼす危険因子を検討すること.〔対象〕原発性肺癌に対して肺葉切除を施行された71名(平均年齢71.0 ± 8.8歳)とした.〔方法〕診療録より後ろ向きに,術後呼吸器合併症の発生率,発生までの日数,その内訳を調査した.術後呼吸器合併症は, 医師による画像所見と臨床症状から術後新たに発症したと判断される無気肺または肺炎とした.術後呼吸器合併症の危険因子は,多重ロジスティック回帰分析を用いて抽出した.〔結果〕術後呼吸器合併症の発生率は14.1%,発生までの日数は術後当日が最も多く,その内訳は全例無気肺であった.また,術後呼吸器合併症に影響を与える危険因子は,body mass index(BMI)であった.〔結語〕術後呼吸器合併症は術後当日という早い段階で発生していたため,その日から呼吸理学療法の介入が必要である.また危険因子であるBMIは,術後呼吸器合併症の発生リスクの層別化から個別に対応した呼吸理学療法を行うための有益な情報となる.
  • 森上 亜城洋, 西田 裕介, 高木 大輔
    2014 年 29 巻 1 号 p. 63-68
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕下腿最大周径を評価することの重要性を確認するために,下腿最大周径およびヒラメ筋組織構造的要因と,足関節底屈筋力における神経筋機能要因との関係を検討することとした.〔対象〕足部に疾患既往の無い健常成人50名とした.〔方法〕下腿最大周径は下腿長を100%とした場合に腓骨頭下端から26%部位を測定した.ヒラメ筋組織構造的要因は超音波画像診断により,筋力はBIODEX,筋電図解析により測定した.〔結果〕全対象において筋組織構造的要因および下腿最大周径と,足関節底屈筋力との間に有意な相関が認められた.〔結語〕下腿最大周径や足関節底屈筋力はヒラメ筋組織構造的要因が関与していることが示唆された.
  • 新井 武志, 大渕 修一, 小島 成実, 河合 恒
    2014 年 29 巻 1 号 p. 69-74
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕介護予防の2次予防事業に参加した地域在住の虚弱高齢者の身体機能と健康関連QOLなどの精神心理的評価項目との関連を検証した.〔対象〕170名の地域在住高齢者(男性53名,女性117名,平均年齢78.6歳)を対象とした.〔方法〕評価項目は,歩行能力,バランス機能,筋力などの身体機能と,主観的健康観,健康関連QOL,うつ傾向などの精神心理的側面とした.身体機能と精神心理的要因の関係を年齢と性別を調整した偏相関係数で評価した.〔結果〕いくつかの身体機能と精神心理的要因の組み合わせは有意な相関関係を示したが,その強さは中等度以下であった.〔結語〕身体機能と精神心理的要因は何らかの関係があることが示唆される.しかし,明確な結論を得るためにはより多面的な解析が必要である.
  • 升 佑二郎, 粕山 達也, 河戸 河誠司, 村松 憲, 石黒 友康
    2014 年 29 巻 1 号 p. 75-79
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕登山競争前後における膝関節周囲の筋疲労の要因を明らかにすること.〔対象〕富士登山競争に参加した消防団員の選手7名とした.〔方法〕登山競走前(pre)に膝関節筋力と筋活動を測定し,登山競走直後(post)に実験施設に移動し,再度測定を行った.〔結果〕膝関節伸展―屈曲トルクは,登山競争前後に有意差は認められなかったが,平均周波数及び筋活動電位の変化率(RRE)は登山競走前よりも後の方が有意に低い値を示した.〔結語〕登山競走後において,筋線維伝導速度及び運動単位の同期性が低下している可能性があると推察された.また,平均周波数とRREでは異なる筋及び異なる角速度において差異が認められることが示された.
  • 大槻 桂右
    2014 年 29 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕病期別の非特異的急性腰痛3症例を対象に,大腿筋膜張筋へのダイレクト・ストレッチングと中殿筋に対する筋力強化運動を実施し,即時的効果を検証することである.〔対象〕症例は非特異的腰痛症と診断され,急性腰痛(24歳,女性),慢性腰痛(32歳,男性),慢性腰痛急性増悪(20歳,男性)と診断された3名とした. 〔方法〕研究デザインはシングルケースで,腰痛緩和肢位を実施するA期と大腿筋膜張筋へのダイレクト・ストレッチングと中殿筋に対して筋力強化運動を実施するB期で構成されるAB型とした.visual analog scale (VAS),指床間距離 (finger floor distance; FFD),下位腰椎後弯域 (posterior lumbar flexibility; PLF)を評価指標とし,二項検定を用いて分析した.〔結果〕B期のVAS,FFD,PLFはA期と比較して,有意な改善を示した.〔結語〕大腿筋膜張筋へのダイレクト・ストレッチングと中殿筋への筋力強化運動が病期別の非特異的腰痛症に対して即時的効果を発揮することが示唆された.
  • 中越 竜馬, 武政 誠一, 中山 可奈子, 森岡 寛文, 雄山 正崇
    2014 年 29 巻 1 号 p. 87-95
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕要介護者を介護する家族介護者のQOLの現状を把握し,要介護者のADLと家族介護者のQOL・介護負担感の縦断的な変化に影響を及ぼす要因を明らかにすること.〔対象〕通所リハビリテーションを利用している要介護者11名(年齢73.7 ± 13.0歳)と,その家族介護者11名(平均年齢62.7 ± 7.0歳)とした.〔方法〕身体的・精神的機能面およびQOLを中心とした実態調査を行った.〔結果〕家族介護者の介護負担感は,要介護者の認知機能と家族介護者のQOLが関連すること,要介護者のADLは,認知機能と家族介護者の介護負担感が関連することが判明した.〔結語〕家族介護者の介護負担感を軽減させるためには,要介護者のADLを維持・向上すること,認知機能の低下を防ぐことが重要であることが示唆された.
  • 梅井 凡子, 堂本 時夫, 平光 正典, 片桐 孝夫, 佐藤 公子, 三宅 由希子, 加藤 洋司, 青井 聡美, 石原 克英, 池田 ひろみ ...
    2014 年 29 巻 1 号 p. 97-100
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕血中クエン酸濃度に着目し,その生活習慣病予防に対する効果について検討をすること.〔対象〕広島県東部の島嶼部に在住する中高年女性99名とした.〔方法〕観察期間中の血中クエン酸濃度変化量により分けられた2群間で,生活習慣病関連因子を比較した.〔結果〕体重,BMI,肥満度,最高血圧,脈圧,RBC,Hb,Ht%,LDLコレステロールの8項目で群間での有意差が認められた.〔結語〕血中クエン酸濃度により少ない運動量であっても効果的に脂肪が燃焼される可能性がある.
  • 生方 瞳, 霍 明, 丸山 仁司
    2014 年 29 巻 1 号 p. 101-104
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕腰痛の有無および疼痛側と非疼痛側を比較し,腰痛と多裂筋の筋硬度の関係を調査することを目的とした.〔対象〕健常成人(以下,健常群)6名と一側に慢性腰痛を持つ者(以下,腰痛群)11名とした.〔方法〕L5棘突起より2.5 cm側方の多裂筋を筋硬度計にて測定した.〔結果〕健常群に比べ,腰痛群の筋硬度は疼痛側,非疼痛側共に有意に低値であった.腰痛群では非疼痛側に比べ,疼痛側の筋硬度は有意に高値を示した.〔結語〕疼痛側の多裂筋は筋スパズムを発生させ疼痛が生じ筋力低下と筋萎縮を呈しており,非疼痛側の多裂筋は代償的に弛緩しているため,疼痛側だけでなく非疼痛側へもアプローチする必要があることが示唆された.
  • 千木良 佑介, 高井 智子, 小田 貴弘, 土橋 邦生
    2014 年 29 巻 1 号 p. 105-108
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕週に1回の外来呼吸リハビリテーションが,呼吸機能,下肢筋力,運動耐容能,生活の質(quality of life;以下QOL)に与える影響を検討する.〔方法〕ADLの自立している40歳以上の軽度~重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)男性患者18例に対し,週1回の外来呼吸リハビリテーション介入を3カ月(12週)間実施した.自宅練習を中心に指導する.〔結果〕介入前後の比較ではFEV1.0,下肢筋力,運動耐容能とQOLの項目において有意な改善を示した.〔結語〕週1回の外来呼吸リハビリテーションにより,自宅練習のモチベーションを維持することで機能改善に効果が出せ,QOLは健常者と比較し差はなくなった.
  • 鈴木 哲, 嘉田 将典, 後藤 保貴, 木村 愛子
    2014 年 29 巻 1 号 p. 109-112
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本邦の理学療法士における腰痛による業務遂行能力の低下の発生頻度や程度を調べること.〔対象〕対象者は理学療法士378名とした.〔方法〕質問紙にて腰痛による業務遂行能力低下の程度と腰痛の程度,年齢,経験年数,性別を評価した.〔結果〕対象者全体の46.0%に腰痛による業務遂行能力低下が認められた.腰痛による業務遂行能力低下と,腰痛の程度との間に,有意な正の相関がみられた.〔結語〕理学療法士にとって腰痛による業務遂行能力の低下は少なくないことが示された.
  • 垣内 優芳, 佐々木 貴哉, 松本 晋輔, 森 明子
    2014 年 29 巻 1 号 p. 113-116
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕頸部回旋が随意的な咳嗽力におよぼす影響を検討すること.〔対象〕健常成人15名.〔方法〕頸部は正中位,右30°回旋位の2条件とし,各条件における咳嗽時最大呼気流速(CPF),呼吸機能検査,最長発声持続時間(MPT)を測定した.〔結果〕CPF,肺活量(VC)と%VCは正中位に比べて右30°回旋位で有意に低かった.一回換気量(TV),MPTなどは両条件で有意差はなかった.CPFとVC,努力性肺活量(FVC),一秒量(FEV1.0),%FEV1.0,最大呼気流速(PEF),MPTに正の相関が認められた.〔結語〕CPFは,VC,FVC,PEFやMPTなどと関連が認められ,頸部正中位より30°回旋位で減少することが明らかとなった.
  • 泉 美帆子, 神子嶋 誠, 黒川 幸雄, 高倉 保幸, 川間 健之介
    2014 年 29 巻 1 号 p. 117-122
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ポリオ罹患者の等尺性収縮運動におけるBorg CR-10尺度値の妥当性と信頼性を検討することである.〔対象〕ポリオ罹患者15名と同年代の健常者45名とした.〔方法〕等尺性収縮運動は膝関節伸展筋で実施した.最大筋力から算出した運動強度(計算値),計算値を視覚的フィードバックによって運動再現した時のBorg CR-10尺度値,Borg CR-10尺度値を運動強度指標として運動を実施した時の筋力(実測値)を測定した.計算値と実測値の一致性,Borg CR-10尺度値と運動強度の相関を検定した.〔結果〕計算値と実測値は中等度から高い一致性が得られ,Borg CR-10尺度値と運動強度の相関は高かった.〔結語〕ポリオ罹患者においてCR-10「4:やや強い」は「筋の過用と廃用」が予防できる運動強度である可能性が示唆された.
  • 岩井 信彦, 青柳 陽一郎
    2014 年 29 巻 1 号 p. 123-129
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕認知機能の低下が脳卒中および大腿骨頸部骨折患者のADL構造に及ぼす影響を明らかにする.〔対象〕日本リハビリテーション医学会患者データベースより対象となる症例を抽出した.〔方法〕認知症高齢者の日常生活自立度判定基準を指標に対象症例を4群に分け,FIM運動項目得点とRasch分析で求められたADL難易度を群間で比較した.〔結果〕脳卒中3,367例,大腿骨頸部骨折595例が抽出された.4群に分けた対象症例は両疾患とも重度になるにしたがいFIM得点が低下した.ADLの重度化にともないADL難易度順位の入れ替わりがあった.〔結語〕認知機能の重度化にともなう整容動作と排泄コントロールでの難易度の上昇は,これらのADLに対する早期からの配慮が重要であることを示す.
  • 中村 浩一, 兒玉 隆之, 向野 義人
    2014 年 29 巻 1 号 p. 131-135
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕格闘技選手においてstate-trait anxiety inventory(STAI)とemotion intelligence scale(EQS)から精神的特性を検討した.〔対象〕格闘技選手(健常男性80名,平均年齢22.6 ± 4.7歳)とした.〔方法〕STAIとEQSを実施し,ボクシングとキックボクシング(打撃群),柔道とレスリング(組み技群)に分け,群間及び競技種目間で比較検討した.〔結果〕STAIでは,群及び競技種目間に差はみられなかったが,状態不安,特性不安が基準値に対し高値の傾向にあった.EQSでは,打撃群が組み技群に比べ「自己対応」が有意に高値,「対人対応」が有意に低値であった.〔結語〕格闘技選手の精神的特性として,不安を抱えやすい傾向にあり,競技特性が情動知能の対応領域に差をもたらす可能性が示唆された.
  • 岡田 壮市, 小粥 崇司, 成田 誠, 竹島 伸生
    2014 年 29 巻 1 号 p. 137-142
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕虚弱高齢者を対象に座位式での軽運動を12週間(2回/週)指導し,その効果を調べた.〔対象〕短時間型通所リハビリテーションの利用者62名(平均年齢72歳)とした.〔方法〕運動は座位でレジスタンス運動(R)とバランス運動(B)の2種類とした.R運動ではゴムバンドと携帯型空気圧式運動器具,B運動では別の携帯型空気圧式運動器具を用いた.効果は下肢筋力と機能的体力により評価した.〔結果〕R群では足関節背屈力,膝関節伸展力が有意に改善し,B群ではバランス指標であるファンクショナルリーチの変化が認められなかったが,膝関節伸展筋力,足関節底屈筋力と片脚立位時間が有意に改善した.〔結語〕虚弱高齢者に対する座位式での軽運動は下肢筋力の改善に対しては有効なものと思われた.
  • 田坂 厚志, 小野 武也, 沖 貞明, 梅井 凡子, 石倉 英樹, 相原 一貴, 佐藤 勇太, 大塚 彰, 武藤 徳男
    2014 年 29 巻 1 号 p. 143-145
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足関節背屈可動域の測定時に基本軸となる下腿部の固定方法が検者内信頼性に与える影響を検討することとした.〔対象〕雌Wistar系ラット10匹とした.〔方法〕右足関節背屈可動域を測定した.基本軸の固定は徒手によるか,あるいは器具を使用する方法とした.測定は1名の検者が行い検者内信頼性を求めた.〔結果〕足関節背屈可動域の測定法に対する検者内信頼性は,徒手による固定方法で0.76,器具を使用した固定方法で0.84であった.〔結語〕信頼性の高い可動域測定の結果を得るためには,器具などを使用して基本軸を固定することが有用である.
  • 安彦 鉄平, 村田 伸, 山﨑 康平, 小松 直正, 米山 智彦, 窓場 勝之
    2014 年 29 巻 1 号 p. 147-149
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運搬方法の違いが歩行パラメータに与える影響について検証することとした.〔対象〕健常成人16名とした.〔方法〕荷物を利き手で持つ利き手型,非利き手で持つ非利き手型,両手で前に抱える両手型にて測定された最大歩行時の歩行速度,立脚時間,歩幅,歩隔,足角を型間で比較した.〔結果〕利き手型と比較し,両手型では立脚時間は有意差が認められないものの増加傾向がみられ,歩行速度は有意に低下した.また,利き手型と比較し非利き手型では,足角のみ有意に減少した.〔結語〕利き手で荷物を持つことで,歩行速度と安定性が保たれる可能性が高まる.
症例研究
  • 長谷川 真人, 山海 嘉之
    2014 年 29 巻 1 号 p. 151-156
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕慢性頸髄損傷不全麻痺の症例に対し,ロボットスーツHAL®福祉用(以下,HAL)での歩行練習の変化を明らかにすること.〔対象と方法〕症例は四肢麻痺を有する60代男性,HALでの5回の歩行練習にて運用面と歩行能力の変化を検証した.フィッティング調節,アシスト設定,目標設定,自主練習指導を行いつつ段階的なHALでの歩行練習が安全に実施できた.〔結果〕初回HAL装着前と5回目装着後は,0.46から0.76 m/secと歩行速度が増加,32.0から50.0 cmへと歩幅増加が認められた.視覚評価では遊脚時の下肢振出し改善,立脚期の右下肢の荷重時間の延長なども認められた.〔結語〕HALでの5回の歩行練習で,漸増的な歩行能力の向上が認められ,より効果的な神経リハビリテーションの可能性が示唆された.
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