2014 年 29 巻 3 号 p. 399-403
〔目的〕下腿三頭筋の静的ストレッチング実施時の伸張感覚と足関節角度,加圧力,筋束長,筋スティフネスの関係を検討した.〔対象〕健常な成人男性11名とした.〔方法〕ST時の伸長感として,筋の伸張を感じた時(FE1),気持ちの良い伸張と感じた時(FE2),伸張に痛みを感じた時(FE3)と,これら伸張感覚時の関節角度,加圧力,超音波画像診断装置で計測した筋スティフネスを解析した.〔結果〕FE2とFE3での関節角度,加圧力,筋束長がいずれにおいても差が少なかった.FE3で筋束長の短縮(防御反射),筋スティフネスの増加が5名の被験者で認められた.〔結語〕気持ちが良い伸張感覚でSTを行う場合には,ゆっくりと筋の伸張感覚を聞きながら行うことが必要である.