2015 年 30 巻 2 号 p. 265-271
〔目的〕骨格筋量のデータの蓄積とサルコペニア診断におけるカットオフ値の作成,加齢に伴う骨格筋量変化の検討を行なう為に,MRI法を基準に推定式が算出されたBIA法を用いて骨格筋量の測定を行った.〔対象〕18歳から84歳までの日本人男女1347名(男性622名,女性725名)とした.〔方法〕上下肢と全身骨格筋量,さらに骨格筋量指数(以下SMI)を測定し,性別・年齢別に検討した.〔結果〕全ての部位において男性と比較して女性の骨格筋量減少率が低く算出された.骨格筋量のカットオフ値は男性4.0kg/m2,女性2.9kg/m2となった.〔結語〕加齢に伴う骨格筋量の減少は男女ともに認められたが,男性により大きく生じていた.また,BIA法においては測定機器により値が異なることが示唆された.