理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
階段降段と平地歩行における外部膝関節内転モーメントの特徴
─変形性膝関節症患者と健常高齢者の比較─
谷本 研二阿南 雅也脇本 祥夫服部 宏香徳田 一貫高橋 真新小田 幸一
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 30 巻 3 号 p. 353-357

詳細
抄録
〔目的〕変形性膝関節症患者の降段時の外部膝関節内転モーメント(以下,KAM)の特徴を明らかにすることであった.〔対象〕内側型変形性膝関節症と診断された女性10人(膝OA群)と健常高齢女性15人(対照群)とした.〔方法〕三次元動作解析システムを用いて,階段降段と平地歩行時の立脚期のKAM最大値,積分値,平均値を算出した.〔結果〕両動作において,KAM最大値は群間での有意差を認めず,膝OA群のKAM積分値は対照群と比較して有意に高い値を示した.降段動作において,膝OA群のKAM平均値は対照群と比較し有意に高い値を示した.降段立脚期の中では単脚支持期でのみ有意差を認めた.〔結語〕変形性膝関節症患者では,KAMの変化は歩行よりも降段において生じやすく,特に降段の単脚支持期において著明となる.
著者関連情報
© 2015 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top