理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
都市在住高齢者における1年後のフレイル進展の心身機能的要因の検討
解良 武士河合 恒吉田 英世平野 浩彦小島 基永藤原 佳典井原 一成大渕 修一
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キーワード: フレイル, 予測因子, 転倒
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2015 年 30 巻 4 号 p. 549-555

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抄録

〔目的〕都市部在住高齢者の心身機能から1年後のフレイルへの進展に寄与する要因を検討することとした.〔対象〕都市部在住の高齢者913名のうち,すでにフレイルであったもの121名を除き,翌年に調査ができたもの384名を最終的な対象とした.〔方法〕心身機能の調査をもとに,1年後の新たなフレイルの非該当を従属変数,ベースラインでの各評価項目を独立変数とし,性別,年齢を共変量として強制投入したうえで,多重ロジスティック回帰分析を行った.〔結果〕新たにフレイルの発生がみられたのは42名(11.0%)であった.ベースライン測定時の性別,握力,転倒スコア,膝関節の疼痛が独立した因子として抽出された.〔結語〕筋力以外に,転倒スコアと膝関節の疼痛がフレイル発生の予知に重要であることが示唆された.

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© 2015 by the Society of Physical Therapy Science
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