2015 年 30 巻 6 号 p. 803-809
〔目的〕異なる関節角度で随意的あるいは電気的に筋収縮を行った時の筋束動態を観察し, 腱組織の力発揮に対する寄与について検討した.〔対象〕日常的な運動習慣を持つ男性15名とした.〔方法〕膝関節角度30°,60°,90°での随意的および外側広筋への20 Hzの電気刺激による等尺性膝伸展を10段階の強度で行い,外側広筋の筋束動態を測定した.〔結果〕EMGと膝伸展トルクとの間には正の関係が見られた.電気刺激時の膝関節角度30°時では,その刺激強度に関わらず膝伸展トルクはほぼ一定になった.〔結語〕伸筋群では, 伸展位かつ特定の筋のみに電気刺激を行った場合, 腱組織への負担を軽くした状態でその筋収縮を導くことが示唆された.