抄録
〔目的〕筋骨格シミュレーションを用いて,健常若年男性と女性の歩行中の下肢筋張力の大きさの違いを明らかにすることとした.〔対象〕20歳代の若年者(男性10名,女性10名)とした.〔方法〕3次元動作解析装置と床反力計を用いて,歩行中の床反力とマーカー座標を計測した.得られたデータをもとに筋骨格シミュレーションを用いて下肢筋の筋張力を推定し,男性と女性の違いを比較,検討した.〔結果〕若年女性は,男性と比較し立脚期中の大殿筋,中殿筋,小殿筋,大腿広筋群の筋張力が増加していたが,ヒラメ筋の最大値が減少していた.〔結語〕若年女性は,男性と比較し股,膝関節周囲の単関節筋を過剰に用いて歩行を行っていることが示唆された.