抄録
〔目的〕本研究の目的は,サイドジャンプ着地動作時の膝関節運動を分析することである.〔対象〕健常女性11名とした.〔方法〕サイドジャンプ距離を身長の80%,高さを30cm,足幅を身長の30%とし,右方向へのサイドジャンプ着地動作を行った.接地時から膝最大屈曲時までの左右の膝関節屈曲,外反角度を三次元動作解析装置にて算出した.床反力は接地後10Nを越えてから膝関節最大屈曲時までを,床反力計で記録した.〔結果〕すべての対象で左下肢が先に接地した.右膝関節は左膝関節よりも接地時の屈曲角度は接地時,最大屈曲時ともに有意に小さく,外反角度は接地時で有意に大きかった.〔結語〕右膝関節で着地した時の膝屈曲角度は左下肢より有意に小さく,また膝外反角度は有意に大きくなることから,膝前十字靭帯損傷のリスクが高いことが示唆された.