理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
注意分散が体性感覚の初期反応に及ぼす影響
—体性感覚誘発電位による検討—
池田 拓郎岡 真一郎中原 雅美松田 憲亮秋吉 賢和小野 陽平川原 亜実髙橋 侑希
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2016 年 31 巻 5 号 p. 697-700

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抄録

〔目的〕経皮電気刺激中に暗算を遂行した時の体性感覚の初期反応に及ぼす影響を検討することとした.〔対象と方法〕対象は健常若年成人12名とした.全員右利きであった.左もしくは右の正中神経に対する経皮電気刺激中に連続7減算の暗算を遂行した時としない時での体性感覚誘発電位(somatosensory evoked potentials;SEP)を誘発電位検査装置によって記録した.SEPは,初期成分(N 20,P 25,N 33およびP 45)の潜時と振幅を計測した.〔結果〕左正中神経刺激での右体性感覚野上のN 33の潜時が暗算によって遅延を示した.〔結語〕右半球での暗算と体性感覚の情報処理が同時に行われた結果,右一次体性感覚野が干渉による抑制を受けたのではないのかと推察される.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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