抄録
〔目的〕本研究の目的は,臨床実習を目前に控えた学生の臨床実習に対するイメージ形成プロセスをモデル化することである.〔対象と方法〕対象は,長期実習開始前の理学療法学科・作業療法学科学生12名.方法は,1 人60 分程度の半構造化インタビューを実施し,面接終了後に逐語録を作成した.インタビューデータの分析には質的研究法の一つであるM-GTAを用いた.〔結果〕学生は臨床実習に対する〈不安感〉と〈期待感〉の間で揺れ動き,特に〈不安感〉が強いことが示唆された.〔結語〕学生が臨床実習を自身の成長の場として認識していくためには,臨床実習に対する大きな〈期待感〉を持つことが重要であり,今回示したモデルを活用したSVによる臨床実習指導法の工夫が必要であると考えられる.