抄録
〔目的〕一過性の2分間の綱渡り練習が,綱渡り距離,総軌跡長,単位軌跡長,単位面積軌跡長,および外周面積に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕男性12人とした.バランス練習は,長さ400 cmの綱を高さ30 cmに設置し,滑らないように裸足で2分間渡り続けた.重心動揺測定は,各測定項目において両足立ちと片足立ちについて,開眼時および閉眼時で15秒間実施した.〔結果〕右足開眼立ちと閉眼立ちにおいて総軌跡長と単位軌跡長が有意に減少した.左足立ちは,開眼立ちで総軌跡長と単位面積軌跡長が有意に減少し,外周面積が有意に増加した.〔結語〕一過性の2分間綱渡り練習の実施によりバランス因子が向上した.