理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原著
踵上げ反復運動回数と最大1歩幅の比較と転倒との関係
齋藤 孝義菅沼 一男齋藤 由香里佐野 徳雄青柳 達也金子 千香
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2016 年 31 巻 6 号 p. 907-910

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抄録

〔目的〕踵上げ反復運動回数と最大1歩幅を比較し,転倒経験の有無による測定値の違いについて検証すること.〔対象と方法〕自立歩行が可能な65歳以上の高齢者80名.踵上げ反復運動は10秒間の施行回数と,最大1歩幅は一方の下肢を可能な限り前方へ踏み出した距離を測定した.〔結果〕転倒群と非転倒群の群間比較の結果,踵上げ反復運動回数と最大1歩幅ともに転倒群は有意に低値を示し,相関係数はr=0.539であった.また,踵上げ反復運動回数のカットオフ値は10.5回(感度80.9%,特異度72.7%)であった.〔結語〕踵上げ反復運動回数と最大1歩幅との間にはかなりの相関があることが示され,転倒群の測定値が非転倒群より有意に低いことから,踵上げ反復運動は転倒を予測するのに有効である可能性がある.

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© 2016 by the Society of Physical Therapy Science
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