抄録
〔目的〕歩行課題と起立‐歩行課題を行い,定常歩行に至る歩数を高齢者と若年者で比較し,過渡歩行時の特徴を調査した.〔対象と方法〕女性高齢者19名,健常若年女性10名とした.両課題の最速歩行時の歩幅,速度,起立‐歩行課題での前方重心移動速度,運動機能評価を比較した.〔結果〕歩行課題では差がなかったが,起立‐歩行課題では定常歩行に至る歩数は高齢者で1歩多かった.起立‐歩行課題での前方重心移動速度,運動機能評価で高齢者が有意に低下していた.〔結語〕起立‐歩行課題で定常歩行に至る歩数に違いがみられた.要因として前方移動速度の低下が影響し,その原因として加齢による運動機能の低下が影響を及ぼした可能性があると考える.