2017 年 32 巻 2 号 p. 285-289
〔目的〕大腿骨近位部骨折術後患者の骨折前の外出状況と,身体機能の回復の関連を検討した.〔対象と方法〕65歳以上の初発の大腿骨近位部骨折術後患者で,回復期リハビリテーション病院に入院した36名を対象とした.骨折前の外出状況は外出頻度と,外出目的別の外出頻度とし,担当理学療法士により聞き取り調査を行った.身体機能の回復は術後1ヵ月時と退院時に身体機能評価の差分値とし,骨折前の外出状況との関連を検討した.〔結果〕身体機能の回復は年齢,性別,認知機能と有意な相関を認めなかったものの,骨折前の外出頻度や買い物頻度と有意な相関を示した.〔結語〕骨折前の外出頻度と買い物の頻度が身体機能の回復と関連していた.