2017 年 32 巻 4 号 p. 549-552
〔目的〕スマートデバイスを簡易な歩行解析や歩行改善システムに応用することを目指し,その基礎検討として,歩行時の歩行路面に対する足底面の高さが上肢の加速度に及ぼす影響をスマートフォンの加速度センサを用いて調べた.〔対象と方法〕健常な若年男性10名にトレッドミル上で「自由歩行」と「15 cm以上に足を高く上げる歩行」を指示し,それぞれの歩行中における前腕部の加速度をスマートフォンの加速度センサから測定した.〔結果〕10名中8名の被験者で「足を高く上げる歩行」における前腕部の加速度が有意に大きい値を示した.〔結語〕歩行中において,挙上する足の高さが高くなると上肢の加速度が大きくなる傾向がみられたため,個人ごとに上肢の加速度から足の相対的な高低を推定できる可能性が示された.