理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
症例研究
幻肢痛治療の小経験
—幻肢運動を獲得することが奏功した症例,幻肢を消すことが奏功した症例—
問田 純一内藤 卓也平賀 勇貴平川 善之
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2017 年 32 巻 4 号 p. 589-594

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抄録

〔目的〕幻肢痛はその性質により病態が異なることが示唆されている.今回,異なる幻肢痛を呈した2症例に対して,幻肢痛の性質に応じて異なる介入を行った結果を報告する.〔対象と方法〕対象は下腿切断により自己受容感覚に関連する幻肢痛を呈した症例Aと上腕切断により皮膚受容感覚に関連する幻肢痛を呈した症例Bである.症例AにはMirror Therapyと幻肢の随意運動介入にて幻肢痛のコントロールを図り,症例Bには断端への感覚識別課題にて幻肢そのものの消失を図った.〔結果〕症例Aは幻肢の随意運動の獲得に伴い幻肢痛は消失した.症例Bは断端の感覚機能の改善に伴い幻肢の型が変化し,幻肢痛は消失した.〔結語〕今回の症例においては,幻肢痛の性質に応じて異なる介入を実施したことで,良好な結果が得られたと考える.

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© 2017 by the Society of Physical Therapy Science
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