抄録
〔目的〕複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome:CRPS)には視覚と体性感覚(異種感覚)の不一致が想定されているが,下肢は視覚的制御に乏しい身体部位である.今回,異種感覚統合では改善が停滞したものの,複数の体性感覚(同種感覚)の統合によりさらなる症状の改善を認めた,下肢にCRPSを呈した1症例を報告する.〔対象と方法〕両下肢にCRPSを呈した症例に対し,異種感覚統合,同種感覚統合を目的とした課題をそれぞれ2ヵ月間行い,その正答率と症状の変化を記録した.〔結果〕異種感覚統合では,正答率が100%となったにも関わらず改善の停滞を認めたが,同種感覚統合への変更後にさらなる症状の改善を認めた.〔結語〕下肢のCRPSへの介入に同種感覚統合が有効となる可能性がある.