理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
32 巻 , 5 号
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原著
  • 村田 賢太, 松原 誠仁
    2017 年 32 巻 5 号 p. 597-601
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕情報端末使用による視覚的注意の定位が衝突回避歩行に及ぼす影響を,速度と変位に着目して検討すること.また,干渉者の介入方法の相違による影響を分析すること.〔対象と方法〕対象は一般健常男性15人とした.干渉者の介入方法を6条件設定し,情報端末使用の有無による回避歩行課題を行った.三次元動作解析装置を用いて,1 mごとの速度と逸脱距離を算出した.〔結果〕文字入力を伴う「ながら歩行」は,通常歩行に比べ歩行速度に遅延が認められ,特に前方成分で著明だった.同様に側方への逸脱距離も「ながら歩行」で大きかった.干渉者の介入方法の相違による影響はみられなかった.〔結語〕情報端末への視覚的注意の定位は,干渉者とすれ違う前の速度と変位に影響を及ぼす.視覚情報処理機能と歩行機能のスクリーニング評価に応用できる可能性が示唆された.
  • 大矢 暢久, 山田 拓実, 佐藤 義尚
    2017 年 32 巻 5 号 p. 603-607
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕超音波検査による若年者の肩関節周囲の軟部組織厚の検者間信頼性を検討すること.〔対象と方法〕対象は健常若年者11人,22肩とした.方法は,検者2人により,棘上筋腱厚(SST),肩峰下滑液包厚(SAB),上腕二頭筋長頭腱厚(BT)を,超音波検査装置を用いて実施した.〔結果〕級内相関係数(ICC)は,SSTが0.92,SABが0.93,BTが0.89であり,SST,SAB,BTともに系統誤差が認められず,測定の標準誤差(SEM)は小さい値であった.〔結語〕本研究の方法による超音波検査は,信頼性のある検査であることが示唆された.
  • 鈴木 里砂, 村瀬 愛美, 土屋 恵子, 奥村 真琴
    2017 年 32 巻 5 号 p. 609-613
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕機能訓練特化型デイサービス利用者の運動測定項目調査を行い,サービス開始後の縦断的変化を検討した.〔対象と方法〕対象はサービス利用者12人(要支援4人,要介護8人).調査項目は,握力,Functional reach test(FRT),開眼片脚立位,Timed Up and Go test(TUG),5 m歩行,体重支持指数,リズム誤差平均値,リズム誤差割合とし,6ヵ月の経過を後ろ向き研究にて検討した.〔結果〕6ヵ月の機能訓練実施で,FRT,体重支持指数,リズム誤差割合での改善が有意に認められた.初回測定時の要介護群・要支援群間での比較では,FRT,TUGで有意差が認められた.〔結語〕半年の機能訓練実施でバランス能力と下肢筋力,リズム異常の改善が認められ,介護度改善の重要な要因となっていることが示唆された.
  • 亀ヶ谷 忠彦
    2017 年 32 巻 5 号 p. 615-619
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕車椅子座位姿勢と椅子座位姿勢の2姿勢で健常成人の上肢機能を比較し,車椅子座位姿勢,椅子座位姿勢が上肢機能に及ぼす影響を検証すること.〔対象と方法〕健常成人35人を対象とした.対象者は車椅子ならびに椅子に着座し,車椅子座位姿勢と椅子座位姿勢の2姿勢で簡易上肢機能検査を実施した.対象者が感受した検査遂行の難度をVisual Analogue Scaleを用いて測定した.〔結果〕椅子座位姿勢では車椅子座位姿勢と比較して対象者の上肢機能が高く,また対象者に検査遂行の難度が低いと感受されることが示された.〔結語〕椅子座位姿勢は車椅子座位姿勢と比較して,上肢機能の発揮に適していることが示唆された.
  • 野田 優希, 古川 裕之, 松本 晋太朗, 小松 稔, 内田 智也, 石田 美弥, 佃 美智留, 藤田 健司
    2017 年 32 巻 5 号 p. 621-625
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕バレーボールのポジションによる傷害発生の特徴を明らかにし,傷害予防やコンディショニング指導の一助とすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は30歳未満の女性バレーボール競技者290人638件とした.電子カルテ上から検索し,診断名の件数をカウントした.それらをスパイカー,セッター,レシーバーの3つのポジションに分類し分析した.〔結果〕スパイカーとセッターでは膝関節と足関節の割合が高かった.また,スパイカーとレシーバーでは腰部の割合が高かった.レシーバーでは足部の割合が高かった.疾患もポジションで異なっており,ポジションにより特徴がみられた.〔結語〕傷害予防やコンディショニング指導の際には,ポジションによる傷害発生の特徴を考慮する必要性が示唆された.
  • 石坂 正大, 久保 晃, 金子 純一朗, 野村 高弘, 韓 憲受, 貞清 香織, 堀本 ゆかり
    2017 年 32 巻 5 号 p. 627-630
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕理学療法学科学部生における興味を持つ専門分野の縦断的変化を明らかにすること.〔対象と方法〕平成28年度理学療法学科学部4学年98名とした.アンケートは7専門分野と23専門領域から最も興味のある領域を選択させた.アンケート実施は,2学年前期,3学年前期,3学年後期,4学年後期に行った.〔結果〕興味のある専門分野は,基礎,神経,内部が縦断的に増加した.専門領域は,2学年前期ではスポーツが49名(55%)と最も人気が高いが,4学年後期では運動と脳卒中に続いて3番の順となった.〔結語〕スポーツ領域に興味のある学生は,3学年前期で神経系に,4学年になると内部障害に興味が移る傾向にある.
  • 石坂 正大, 久保 晃, 金子 純一朗, 野村 高弘, 韓 憲受, 貞清 香織, 堀本 ゆかり
    2017 年 32 巻 5 号 p. 631-634
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕理学療法士養成校最終学年度における,総合臨床実習の担当症例の疾患の特徴と基本的理学療法の対象疾患を明らかにすること.〔対象と方法〕平成27年度理学療法学科4年生103名の206部の症例報告書を解析対象とした.診断名と病歴をもとに,診療報酬算定上の疾患名を参考に分類した割合を算出した.〔結果〕担当症例の内訳は,脳梗塞38例(18%),脳出血38例(18%),骨折50例(24%)であった.〔結語〕総合臨床実習で担当する主な疾患は脳梗塞,脳出血,骨折であり,理学療法士養成校の到達目標は,これらの疾患に対し基本的理学療法をある程度の助言・指導のもとで行えるレベルを想定することが望ましいと考えられた.
  • 加嶋 憲作, 津田 泰路, 大菊 覚, 横畠 和宏, 西森 大地, 山﨑 裕司
    2017 年 32 巻 5 号 p. 635-638
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕最大歩行速度と独歩自立の関係を検討すること.〔対象と方法〕対象は,65歳以上の高齢入院患者262例である.院内独歩自立群と非自立群の2群に選別し,最大歩行速度を比較した.次に,歩行速度により6群に区分し,各群の独歩自立割合を算出した.さらに,独歩自立の可否を判別する最大歩行速度の至適カットオフ値を求めた.〔結果〕最大歩行速度は独歩自立群で有意に高値を示した.最大歩行速度の低下にしたがい独歩自立割合は減少した.独歩自立の可否を判別する至適カットオフ値は1.038 m / secであり,高精度で検出可能であった.〔結語〕最大歩行速度と独歩自立の可否には関連があり,最大歩行速度が一定の水準を下回る場合,独歩自立の可能性は低くなる.
  • 宮崎 輝光, 青木 信裕, 片寄 正樹
    2017 年 32 巻 5 号 p. 639-643
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕選択的筋疲労条件を用いて,走行遊脚期後半における脚振り出し制動機能を半腱様筋と大腿二頭筋が有しているかを検証することを目的とした.〔対象と方法〕7人の健康な成人男性を対象とした.半腱様筋と大腿二頭筋に対する選択的筋疲労介入前後に走行課題を実施した.筋疲労の検証のため,随意収縮課題中の関節トルクと筋電図中央周波数を算出した.走行課題では,遊脚期後半における膝・股関節屈曲角度,膝関節伸展角速度を算出した.〔結果〕選択的筋疲労は各対象筋のみが有意に低下した.走行課題の算出項目は,筋疲労前後で有意な変化はなかった.〔結語〕半腱様筋と大腿二頭筋は,個別の機能として脚振り出し制動機能を有さない可能性がある.
  • 野田 敏生, 齊藤 大介, 古川 公宣
    2017 年 32 巻 5 号 p. 645-649
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,Lumbo-pelvic upright sitting,Slump sitting,Thoracic upright sittingを保持する間の腰椎分節角度の経時的変化を観察し,その特徴について検討することである.〔対象と方法〕健常成人男性16人を対象とした.体重の20%の重錘を両側肩関節に懸垂した,3種類の座位姿勢を20分間保持することで腰椎への経時的な負荷を短時間で再現した.〔結果〕Lumbo-pelvic upright sittingは,下位腰椎から順に屈曲方向に有意な角度増加を示したが,その他の座位姿勢は,有意な変化を示さなかった.〔結語〕Lumbo-pelvic upright sittingを長時間保持することは困難であり,脊柱を支持する力源の割合が,筋から脊柱の受動性組織に徐々に移行していることが明らかとなった.
  • 木村 愛子, 内田 芙美佳, 堀江 貴文, 鈴木 哲
    2017 年 32 巻 5 号 p. 651-655
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕臨床実習指導者の臨床実習教育関連研修会への参加経験と,学生指導および評価能力に対する自信の程度との関係を検討した.〔対象と方法〕対象は臨床実習指導者会議に参加した理学療法士,作業療法士86人とした.質問紙にて,研修会への参加経験の有無,認知・精神運動・情意領域における学生指導および評価能力に対する自信の程度を調査した.〔結果〕クリニカルクラークシップ関連研修会への参加経験者は,認知・精神運動領域において,認定・専門理学療法士,作業療法士の研修会への参加経験者は情意領域において,未経験者よりも学習指導および評価能力に対する自信の程度が有意に高かった.〔結語〕研修会への参加経験と学生指導および評価能力に対する自信の程度は関連する可能性が示唆された.
  • 三谷 保弘, 植田 篤史, 稲田 竜太
    2017 年 32 巻 5 号 p. 657-662
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足幅を規定した荷物の持ち上げ動作の運動特性を明らかにし,腰部に加わる物理的ストレスについて検討した.〔対象と方法〕対象は健常な男子大学生8人とした.運動課題は床に置いた10 kgの荷物を持ち上げることとし,この時の足幅を3段階に設定した.デジタルハイスピードカメラと表面筋電計を用いて,下肢と体幹の関節角と筋活動を計測した.〔結果〕体幹前傾角ならびに腰部傍脊柱筋の筋活動は,足幅の増大により有意な減少が認められた.下肢の筋活動は足幅による有意差が認められなかった.〔結論〕足幅を増大した荷物の持ち上げ動作は体幹前傾角と腰部傍脊柱筋の筋活動を減少し,腰部の物理的ストレスを軽減することが示唆された.
  • 髙橋 真, 奥村 克也, 井所 和康, 三上 紘史, 仲島 佑紀
    2017 年 32 巻 5 号 p. 663-668
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,高校野球選手における股内旋可動域と大腿骨の骨形態との関係を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は高校野球部に所属する男子23名の両股関節46肢とした.股内旋可動域は股90°屈曲位,0°伸展位にて測定した.大腿骨の骨形態はMRI,Craig testによる大腿骨前捻角とα-angleを計測した.〔結果〕股屈曲位および伸展位の内旋可動域と大腿骨前捻角の関係は相関を認めたが,α-angleとは股伸展位の内旋可動域と軽度な正の相関を認めたのみであった.股内旋可動域の左右差を比較し,低値側と高値側における大腿骨前捻角とα-angleを比較したが,有意差は認めなかった.〔結語〕高校野球選手では,股内旋可動域の左右差は大腿骨の骨形態よりも,軟部組織によると考えられた.
  • 正保 哲, 柿崎 藤泰
    2017 年 32 巻 5 号 p. 669-674
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕姿勢変化が吸気負荷時の左右胸郭形状に及ぼす影響を,上下胸郭体積変化から比較検討すること.〔対象と方法〕対象は若年男性10人とした.三次元動作解析装置を用い,吸気負荷を加えたときの胸骨切痕から第3肋骨の腹側から中点までの合計を上部胸郭体積変化,胸骨剣状突起から第10肋骨の中点から背側までの合計を下部胸郭体積変化とした.姿勢は,直立座位と後傾座位とした.〔結果〕直立座位および後傾座位の吸気負荷時の胸郭形状は,上部胸郭では右胸郭に比べ左胸郭で,下部胸郭では左胸郭に比べ右胸郭で有意に大きく体積が変化した.〔結語〕胸郭形状は,姿勢変化時の吸気負荷においても,上部胸郭は左の拡張性,下部胸郭では右の拡張性が大きいことが示めされた.
  • 芹田 透, 工藤 宏幸, 坂井 建雄
    2017 年 32 巻 5 号 p. 675-681
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肩関節の臨床症状評価の一助とするため,肉眼解剖手法により棘下筋に分布する動脈を観察した.〔対象と方法〕解剖実習遺体17体19側の棘下筋に分布する動脈の走行および分布領域を調査した.〔結果〕棘下筋に分布する主な動脈は肩甲上動脈と肩甲回旋動脈で,どちらも筋の内面を走行していた.肩甲上動脈が,上肩甲横靱帯と肩甲切痕で形成されるトンネル内を走行して棘下筋に達する例もあった.2動脈の分布領域は標本により異なった.〔結語〕棘下筋に分布する動脈には,深層を走行し,トンネル内を通過するなど,圧迫を受けやすい特徴がみられた.また,動脈分布形態は多様であり,臨床症状の個人差への影響が示唆された.
  • 小向 佳奈子, 藤本 修平, 杉田 翔, 光武 誠吾, 輪違 弘樹, 小林 資英
    2017 年 32 巻 5 号 p. 683-693
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕リハビリテーション分野で用いられている社会参加の定義とその評価指標について,システマティックレビューを用いて評価することとした.〔対象と方法〕リハビリテーションと社会参加に関する語句から対象論文の検索を行った(Database:MEDLINE).抽出した論文について,社会参加の定義や評価指標を抽出し,テキスト分析によってその概念をまとめた.〔結果〕社会参加の定義として「仕事,家庭での活動,余暇活動ができる」,「家庭,社会における役割を持てる」などが挙げられた.定義によって用いられている評価指標に相違がみられた.〔結語〕社会参加の定義は様々であり,その定義に合わせた評価指標を選択する必要性が示唆された.
  • 秋葉 崇, 小川 明宏, 寺山 圭一郎, 土谷 あかり, 中川 晃一, 榊原 隆次, 丸岡 弘
    2017 年 32 巻 5 号 p. 695-699
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足関節底背屈運動が血行動態と自律神経系に与える影響を検討し,起立性低血圧の対処法としての一助とすること.〔対象と方法〕対象は健常男性8人(年齢28.8 ± 5.3歳)とした.プロトコルは,5分間の安静座位の後,1分間の足関節底背屈運動を行い,再度5分間の安静座位を保持した.その間,循環動態と自律神経の反応を評価した.〔結果〕心拍数,一回拍出量,心拍出量は,安静時の値と比較して,足関節底背屈運動中の値が有意に高値を示した.また,その効果は運動後1分まで持続した.LF/HF,HFなどの自律神経系の反応は,有意な変化が認められなかった.〔結語〕足関節底背屈運動の即時効果が認められ,その効果は1分程度持続した.足関節底背屈運動が,起立直後の血圧低下を回避する方法としての一助となる可能性が示唆された.
  • 久保 晃, 石坂 正大
    2017 年 32 巻 5 号 p. 701-704
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕理学療法学科学部3年生の評価実習で実施された検査測定項目と,脳神経と運動器の疾患別,急性,回復,生活期の病期別から特徴を明らかにする.〔対象と方法〕平成26年度理学療法学科3年生100人100症例の報告書を解析対象とし,検査測定項目を抽出し疾患別,病期別で比較した.〔結果〕検査測定項目の1症例あたりの平均値は12項目,最頻値は11項目で,その割合は動作分析が97%,ROM-Tが95%,MMTが92%でその他の項目は70%未満であった.多くの項目で疾患,病期との間に有意な関連を認めた.〔結語〕評価実習では,動作分析,ROM-T,MMTはほぼ必須実施項目で,疾患や病期により検査測定項目に特徴が存在し,事前学習に有用と推察される.
  • 坂本 隆徳, 沖 貞明, 積山 和加子, 酒井 はるか, 浮本 祥, 小野 武也
    2017 年 32 巻 5 号 p. 705-708
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕自動運動による関節拘縮発生予防を,底背屈中間位固定のラット足関節を対象に検討すること.〔対象と方法〕Wistar系雌ラット12匹の一側後肢足関節を底背屈中間位で7日間のギプス固定をした.固定期間中に1日1度,固定除去後に20分のトレッドミル走行を行う固定運動群と,ギプスの巻き替えのみを行う固定群で検討した.実験初日と最終日に,足関節可動域を計測した.〔結果〕初日の関節可動域は固定群117.3 ± 6.1°,固定運動群119.7 ± 5.3°であり,2群間に有意差は認めなかった.最終日は,固定群84.0 ± 4.6°,固定運動群93.3 ± 8.0°であり,ともに有意に関節可動域が減少していた.最終日では,固定運動群の関節可動域が有意に大きかった.〔結語〕関節拘縮の予防は,この条件では成し得なかった.
  • 久保 晃, 堀本 ゆかり, 韓 憲受, 野村 高弘, 貞清 香織
    2017 年 32 巻 5 号 p. 709-712
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕学部2年から卒業までの学習と生活面の満足度(以下,学習満足度,生活満足度)を縦断的かつ男女別に明らかにする.〔対象と方法〕対象は国際医療福祉大学理学療法学科を平成29年3月に卒業した男性56人,女性42人.2年と3年の1月下旬,卒業式3週前に,各々の満足度を記名式でVASを用いて評価した.〔結果〕学習満足度には男女とも学年に有意差を認め,卒業前に上昇した.一方,生活満足度は男女とも一貫して70と高く有意差を認めなかった.また女性は卒業前に学習と生活の満足度の相関が高まった.〔結語〕男女とも学習満足度は変化し,生活は高い満足度が2年から維持され,学習と生活では異なる特徴が示唆された.
  • 永井 良治, 中原 雅美, 森田 正治, 下田 武良, 岡 真一郎, 鈴木 あかり, 濱地 望, 池田 拓郎, 金子 秀雄, 高野 吉朗, ...
    2017 年 32 巻 5 号 p. 713-719
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕臨床実習指導者を対象に,クリニカルクラークシップ(CCS)の取り組みに対する意見をまとめ,今後のCCS型臨床教育の捉え方を検討するための資料とすること.〔対象と方法〕4年目以上の理学療法士60名を対象に,自己記入式質問紙を用いたアンケート調査を実施した.〔結果〕実習形態については,診療に参加させながら学生の成長を促すことができるとの回答が多かった.しかし学生は受身的な取り組み姿勢で,チェックリストを埋めることに意識が向きやすいことが示された.学生の理解度の把握については理学療法全体に関する理解の指導方法が課題になっていることが示された.〔結語〕現在のCCSの取り組みが明らかになった.学生の取り組み姿勢や指導方法については,臨床実習指導者と連携して検討していきたい.
  • 高橋 亮人, 宮﨑 純弥, 高橋 哲也, 徳永 仁美, 矢本 竣平, 岡田 菜奈, 坂元 亜衣, 幸田 仁志, 佐伯 武士
    2017 年 32 巻 5 号 p. 721-727
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕通所リハ利用者にエロンゲーショントレーニング(ELT)を実施し,その効果と完遂率を検討した.〔対象と方法〕対象は通所リハ利用者25人(男性10人,女性15人,年齢83.5 ± 6.5歳)とした.ELT群はエロンゲーションバンドを使用したトレーニングと歩行練習などを実施し,対照群は関節可動域練習,筋力増強練習,歩行練習などを実施した.〔結果〕ELT群の完遂率は93%であった.全項目において群間と介入期間との間には交互作用は認めなかった.大腿四頭筋筋力,30秒椅子立ち上がりテスト,股関節自動伸展関節可動域,長座体前屈,Timed Up and Go test,2ステップテストは介入期間に主効果を認めた.〔結語〕ELTは理学療法と同等の効果が認められた.ELTは完遂率が高く,要介護度の改善に寄与すると考えられた.
  • 積山 和加子, 田中 聡, 飯田 忠行, 藤原 成美, 古西 恭子
    2017 年 32 巻 5 号 p. 729-735
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,シルバーリハビリ体操指導士養成講習会の受講が受講生の運動・身体活動,健康心理学的特性などに与える影響について検討を行った.〔対象と方法〕シルバーリハビリ体操指導士養成講習会の受講生を対象とした.養成講習会受講前と4週間の受講後に運動・身体活動評価,健康心理アセスメント,認知機能評価を行った.〔結果〕受講前後で比較した結果,女性の握力,生きがい感アンケートK-I式は有意に増加し,POMS2®短縮版の「怒り-敵意」も有意に低下した.〔結語〕シルバーリハビリ体操指導士養成講習会は受講生自身の握力や生きがい感などの心身機能を改善させることが示された.
症例研究
紹介
  • 岡村 正嗣, 森 一樹, 志水 泰夫, 内田 真樹, 吉本 和徳, 相良 亜木子, 里 輝幸, 中村 健
    2017 年 32 巻 5 号 p. 745-748
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー
    〔はじめに〕理学療法士が京都府DMAT(災害派遣医療チーム)に業務調整員の役割で参加した.DMATにおける理学療法士の支援活動の可能性について報告する.〔経過〕2015年に理学療法士が京都府DMAT養成研修会に参加し,隊員として登録された.同年,当院において大規模災害対応訓練を実施した.研修や訓練では,傷病者の情報を業務調整員がDMAT・災害対策本部・消防に伝達し,治療や医療搬送等が行われる場面を多く経験した.医学的知識を有した理学療法士が業務調整員を行うことにより,多職種間でのさらなる深い連携が可能であった.〔考察〕理学療法士は,重症患者の診療に関わる機会を有し,災害時に速やかに適切な対応を実施する能力があり,DMATに参画することが可能であると考えられた.
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