2018 年 33 巻 1 号 p. 59-64
〔目的〕側方への片脚着地時の足関節と後足部角度および下腿の筋活動を捻挫既往肢と健常肢で比較分析すること.〔対象と方法〕足関節捻挫の既往のある20肢(捻挫既往群,男性11肢,女性9肢,平均年齢21.2歳)と捻挫の既往のない20肢(既往なし群,男性12肢,女性8肢,平均年齢21.2歳)の40肢を対象とした.高さ30 cm台から30 cm側方への片脚着地動作を行わせ,その際の足関節底背屈と後足部回内外角度,また下腿筋の筋電図を計測した.〔結果〕既往なし群に比べ捻挫既往群では,着地前の底屈角度と着地後の回外角度および前脛骨筋の筋活動の値が有意に高値であった.〔結語〕前脛骨筋の過剰な活動により,足関節捻挫既往肢での着地後の後足部回外は過大となっており,足関節の再捻挫を引き起こす可能性が高いと考えられる.