理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
33 巻, 1 号
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原著
  • 鍵田 麻奈, 尾花 朋也, 岸 岳志, 加藤 愛理, 吉田 佳介, 正保 哲
    2018 年 33 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕異なる運動強度の膝関節伸展運動が,運動直後の血管拡張能に及ぼす影響について検討した.〔対象と方法〕対象は若年健常男性17名とした.異なる運動強度の膝関節伸展運動前後の血管拡張能の変化について反応性充血指数を用いて測定した.また,運動前から運動後の心拍出量を測定した.〔結果〕反応性充血指数は20%1RMで運動前1.54 ± 0.36から運動後1.78 ± 0.48に増加した.心拍出量は,運動前と比較して各運動強度で, また20%1RMに対して,50%1RM,80%1RMにおいて,有意に増加した.〔結語〕低強度の膝関節伸展運動は,運動直後に血管拡張能を改善させる可能性が示唆された.
  • 岩本 紘樹, 臼田 滋
    2018 年 33 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕目標物の位置が座位リーチ動作時の手の運動軌道や,体幹質量中心および圧中心移動量に及ぼす影響を検討すること.〔対象と方法〕健常成人男性12名とした.三次元動作解析装置と床反力計を使用し,リーチ動作課題を分析した,リーチの目標物は前方,左方,右方の3方向とし,リーチ動作時の手の運動軌道の特性と,体幹質量中心および圧中心移動量を算出し,それらの関連性を検討した.〔結果〕前方条件では,左方および右方条件に比して体幹の運動範囲がより大きい傾向を認めた.リーチ軌道の円滑性および直線性に方向間で差は認めなかった.リーチ軌道の円滑性において前方リーチで体幹運動との関連性を認めた.〔結語〕運動時間や体幹運動距離を制御することで,リーチ動作時の運動特性を操作できる可能性が示唆された.
  • 藤原 愛作, 小野 秀幸, 山野 薫
    2018 年 33 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕妊娠期から育児期における女性のセラピストの健康管理や労務管理に関する諸問題を明らかにすることである.〔対象と方法〕次世代育成支援対策推進法に基づいて子育てサポート企業の認定を受けた医療・介護施設の中で,リハビリテーション科を標榜している九州圏域の24施設を対象に,郵送による質問紙法を実施した.〔結果〕調査票の回収率は62.5%であり,妊娠期のトラブルは約半数の施設で発生していた.また,妊娠期のマイナートラブルなどの諸問題について職員教育が不足していた.〔結語〕今後,心身の不調に対応できる多様な勤務体制の整備と職員教育を行うことは,妊娠期から育児期における女性療法士が勤務しやすい風土を作るために重要といえる.
  • —運動学的・運動力学的比較—
    栗原 靖, 田上 未来, 松田 雅弘, 高橋 哲二, 山田 翔太, 松村 将司, 桑江 豊, 河辺 信秀, 柳澤 健
    2018 年 33 巻 1 号 p. 19-23
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕革靴着用時とスニーカー着用時による歩行の相違を運動学的・運動力学的比較から明らかにすることとした.〔対象と方法〕健常成人男性10名とした.運動課題は,革靴およびスニーカーを着用した最速歩行とした.三次元動作解析装置を用い,下肢各関節角度,関節モーメント,関節パワーを算出した.歩行立脚相における各項目の角度変化量,最大値を分析した.〔結果〕スニーカー着用時と比較し,革靴着用時の踵接地から足底接地では,足関節背屈モーメント最大値,足関節の負のパワー最大値の増大が生じた.〔結語〕スニーカー着用時と比較し,革靴着用時での歩行が,踵接地から足底接地における足関節背屈筋群の遠心性収縮を増大させることを示した.
  • 高橋 裕子, 中川 和昌
    2018 年 33 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕片脚立ち上がりテストについてその可否に関わる要因を再検討すること.〔対象と方法〕男子高校サッカー部員78 名の効き足78脚を測定肢とした.測定項目は,40 cm,30 cm,20 cm,10 cm台からの片脚立ち上がりテスト,Single leg triple hop test for distance,下腿傾斜角度,閉眼片脚立位保持時間とした.〔結果〕10 cm台からの立ち上がりが可能であった群は20 cm台からの立ち上がりまで可能であった群と比較し下腿傾斜角度が大きく,閉眼片脚立位保持時間が長かった.〔結語〕10 cm台からの立ち上がり動作の可否には足関節可動域や姿勢制御能力が影響するため,考慮して評価する必要がある.
  • 鈴木 学, 細木 一成, 北村 達夫, 浅田 春美, 加藤 仁志, 橋口 優, 鳥海 亮, 中 徹
    2018 年 33 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕臨床実習中における自宅学習課題が学生の心理的ストレス反応に及ぼす影響について検討することとした.〔対象と方法〕理学療法士2養成校4年生58名に対し,臨床実習中の自宅での学習時間および難易度がSRS18(心理的ストレス反応測定尺度)により判定した心理的ストレス反応への関連を重回帰分析により検討した.〔結果〕「抑うつ・不安」ではデイリーノート作成時間と症例レポート作成難易度に,「不機嫌・怒り」ではデイリーノート作成時間,「無気力」は症例レポート作成難易度とデイリーノート作成時間,総合ストレス反応では症例レポート作成難易度とデイリーノート作成時間に有意差がみられた.〔結語〕デイリーノート作成時間と症例レポート難易度は学生の心理的ストレスを増減させる要因の一つであることが示唆された.
  • 成田 亜希
    2018 年 33 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕成績不振者を出さないような的確な学習支援をどのタイミングで行うかを検討する.〔対象と方法〕理学療法士養成短期大学を卒業した88名を対象とした.卒業時の成績と入学前の学力や在学中の成績,学習動機づけとの比較を行った.〔結果〕入学前の学力は卒業時の成績には影響しないことが示唆された.入学後,1年次4月末には成績不振者を発見できることが確認できた.また基礎医学科目の成績が良いと卒業時の成績も良く,1年次4月初回の小テストで成績が悪い学生は卒業時でも学習動機づけが低いこともわかった.〔結語〕入学当初から学習は単なる暗記ではなく理解し説明できる「生きた知識」を備えることを指導し,普段の小テストから良い成績が取れるよう導くべきである.それによって学生は有能感をもち,学習動機づけも高めていける.
  • 利根川 直樹, 浦辺 幸夫, 沼野 崇平, 福井 一輝, 前田 慶明
    2018 年 33 巻 1 号 p. 39-43
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大学バドミントン選手のスポーツ傷害とコートでの受傷エリア,熱中症発生の実態を把握することを目的とした.〔対象と方法〕バドミントン部に所属する大学生 577 名に,インターネットによるアンケート調査を実施した.〔結果〕有効回答の得られた 218 名を対象とした.外傷部位は足関節が最も多く,外傷の種類は足関節捻挫が最多であった.障がい部位は下腿前面が最も多く,障がいの種類はシンスプリントが最多であった.コートでの受傷エリアは,非利き手側後方の割合が最も高かった.また,熱中症発生件数は 7 月に急増していた.〔結語〕外傷,障がいともに下肢に多い傾向がみられた.コート受傷エリアでは,非利き手側後方での受傷割合が高いことが明らかとなった.熱中症は重症化させないように注意喚起を行う必要がある.
  • —机上の認知機能評価との比較—
    月成 亮輔, 長井 亮祐, 菊池 俊明, 宮前 篤, 宮崎 晶子, 伊藤 修一, 池田 由美
    2018 年 33 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕車椅子安全操作管理能力の評価に関して,机上の認知機能検査との比較検討を行い,回復期脳卒中患者における歩行能力予後予測因子としての有用性を検証することを目的とした.〔対象と方法〕初発脳卒中患者16名を対象とした.入院時・入院後1ヵ月時にて,車椅子安全操作管理能力の評価は担当理学療法士,机上の認知機能検査は臨床心理士が評価した.それぞれの評価結果と退院時歩行自立度の関係をROC曲線からカットオフ値を算出し,感度,特異度,陽性(陰性)的中率,および陽性(陰性)尤度比を算出した.〔結果〕退院時歩行自立レベルの予測精度は,車椅子安全操作管理能力の評価が最も高い結果となった.〔結語〕車椅子安全操作管理能力の評価は,机上の認知機能検査との比較においても,退院時の歩行自立度を高い精度で予測できる可能性があることが示唆された.
  • —ヘッドサポートにかかる力の計測—
    香西 良彦, 佐藤 宏惟, 半田 隆志, 鈴木 啓介, 能戸 崇行, 安藤 昌弘, 前田 佑輔, 白銀 暁
    2018 年 33 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕痙縮の発現により車椅子にかかる負荷を定量的に測定し,負荷値を明確にするための方法論の確立.〔対象と方法〕構造解析シミュレーションによるひずみゲージ貼付位置の選定,重度の痙縮を呈する痙直型脳性麻痺者1名を対象にひずみゲージを用いてヘッドサポート支柱にかかる荷重を測定した.〔結果〕ヘッドサポートにかかる最大荷重は346N(体重比88.3%)であった.また,力の加わる向きによって,今回実験に用いたヘッドサポートの支柱は伸展と屈曲の両方向に歪むことが明らかになった.〔結語〕ひずみゲージを用いてヘッドサポート支柱にかかる荷重が定量化でき,痙縮が発現した際には体重の88.3%がヘッドサポートにかかる場合があることがわかった.これらは新たな基準を作成するうえで重要な基礎データとなる可能性がある.
  • 小林 薰, 柊 幸伸
    2018 年 33 巻 1 号 p. 55-58
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大学生における運動有能感の高低と主観的健康感,主観的疲労感,主観的体力,運動習慣,運動部活動の経験を調査した.〔対象と方法〕本学の体育科目を履修した848名を対象とした.各自に質問紙とマークシートを配布し,それぞれの質問に該当する回答カテゴリーを1つだけ選択させた.〔結果〕χ2検定では,男女ともに運動有能感のlow群で「健康でない」,「運動部活動の経験なし」,high群で「体力がある」,「運動習慣がある」の割合が有意に多かった.〔結語〕体育科目以外での運動・スポーツ経験が不足している運動部活動の経験がない者にとっては,運動有能感が得られにくいだけではなく,運動の習慣化にも影響することが示唆された.
  • —足関節捻挫既往肢の特徴—
    阿部 流星, 木元 稔, 若狭 正彦, 齊藤 明, 南波 晃, 岡田 恭司
    2018 年 33 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕側方への片脚着地時の足関節と後足部角度および下腿の筋活動を捻挫既往肢と健常肢で比較分析すること.〔対象と方法〕足関節捻挫の既往のある20肢(捻挫既往群,男性11肢,女性9肢,平均年齢21.2歳)と捻挫の既往のない20肢(既往なし群,男性12肢,女性8肢,平均年齢21.2歳)の40肢を対象とした.高さ30 cm台から30 cm側方への片脚着地動作を行わせ,その際の足関節底背屈と後足部回内外角度,また下腿筋の筋電図を計測した.〔結果〕既往なし群に比べ捻挫既往群では,着地前の底屈角度と着地後の回外角度および前脛骨筋の筋活動の値が有意に高値であった.〔結語〕前脛骨筋の過剰な活動により,足関節捻挫既往肢での着地後の後足部回外は過大となっており,足関節の再捻挫を引き起こす可能性が高いと考えられる.
  • 福井 一輝, 浦辺 幸夫, 沼野 崇平, 藤下 裕文, 前田 慶明
    2018 年 33 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕パワーポジションでの脊柱アライメントと全身反応時間の関係を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は大学の運動部に所属している健常男性 15 名とした.全身反応時間は,ランプ発光後できるだけ素早くマットから両足を離床させる課題動作として測定した.直立立位とパワーポジションの2条件で脊柱アライメントならびに体幹傾斜角度の測定を行い,胸椎後弯角度,腰椎前弯角度,体幹傾斜角度,骨盤前傾角度を算出した.〔結果〕全身反応時間とパワーポジションでの腰椎前弯角度に有意な正の相関を認めたが,その他の項目間では有意な相関は認められなかった.〔結語〕パワーポジションでの腰椎前弯角度が大きいと,全身反応時間が短縮することが明らかになった.
  • —Timed“Up & Go”Test遂行時の高齢者映像観察による検証—
    松田 徹, 吉田 晋, 井上 美幸, 村永 信吾, 大嶋 幸一郎, 川間 健之介
    2018 年 33 巻 1 号 p. 69-75
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕臨床判断を基盤とした転倒危険性の感じ方が,臨床経験により異なるか,Timed “Up& Go” Test (TUG)遂行時の高齢者映像から検討すること.〔対象と方法〕「学生」群32名,臨床経験「1-2年目」群46名,「3-4年目」群34名,「5-9年目」群43名,「10年目以上」群15名.映像を見て,Visual Analogue Scale(VAS)で評価した.本研究上定義した転倒リスク分類との一致率とVAS測定値を臨床経験で比較した.〔結果〕転倒高リスク映像にて,「学生」群よりも「1-2年目」群,「10年目以上」群の一致率が有意に高く,「10年目以上」群で最も高かった.〔結語〕10年以上臨床経験を積むことで,転倒リスクの高い高齢者映像をより正確かつ明確に評価できる可能性が示唆された.
  • 楠 貴光, 早田 荘, 大沼 俊博, 渡邊 裕文, 野口 克己, 宮本 達也, 鈴木 俊明
    2018 年 33 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕電気刺激による上腕三頭筋長頭の筋収縮が肩甲骨肢位に及ぼす影響を検討した.〔対象と方法〕健常人の20肢を対象に,上肢を肩関節水平屈曲60°位にて治療台上に保持させた.上腕三頭筋長頭に電気刺激を加え,X線を撮影し,安静時と電気刺激時の肩甲棘内側端と肩甲骨下角の脊椎間距離,肩甲骨上方回旋角を比較した.X撮影には放射線技師および医師の協力を得た.〔結果〕電気刺激時にて肩甲骨下角と脊椎間距離の中央値は7.9 mm,肩甲骨上方回旋角の中央値は9°増大し,有意差を認めた.〔結語〕肩関節水平屈曲60°位にて保持させた際の電気刺激による上腕三頭筋長頭の筋収縮は,肩甲骨外転および上方回旋に作用したと考える.
  • —理学療法士・作業療法士を対象としたフォーカスグループインタビュー—
    藤本 修平, 尾川 達也, 藤本 静香, 中山 健夫
    2018 年 33 巻 1 号 p. 83-88
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕共有意思決定における患者参加の促進・阻害因子に対する理学療法士・作業療法士の認識を明らかにすることとした.〔対象と方法〕理学療法士・作業療法士5名を対象とし,フォーカスグループインタビューにて患者参加に関する認識を調査し,内容分析を用いて患者参加の促進因子,阻害因子に分類した.〔結果〕促進・阻害因子の両方,促進因子,阻害因子について,それぞれ「意思決定に参加する患者の好み」,「療法士の知識」,「エビデンスの有無」に関するコードが多く抽出された.〔結語〕患者参加の促進・阻害因子として,療法士の知識やエビデンスの確立の必要性を認識していることが示された.
  • 大関 直也, 水上 昌文
    2018 年 33 巻 1 号 p. 89-93
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は糖尿病神経障害(DPN)者の歩行速度特性を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は,DPN群21名と年齢,性別,身長,体重を調整した非糖尿病者(non DM群)18名.主評価項目は,快適歩行における速度と歩幅,歩行率とした.〔結果〕歩行速度はDPN群55.6 ± 14.4 m/min,non DM群77.6 ± 13.1 m/minであった.歩幅はDPN群0.50 ± 0.10 m,non DM群0.61 ± 0.86 mであった.歩行率はDPN群118.1 ± 21.8 steps/min,non DM群125.6 ± 8.7 steps/minであった.歩行率以外の項目で有意差があった.〔結語〕DPN群は歩行速度が低下し,その要因が歩幅減少であった.
  • 窪川 徹, 佐藤 光将, 平田 祥洸, 宮内 音好
    2018 年 33 巻 1 号 p. 95-100
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕加齢臭やアロマセラピーなど,においに関しては両側面がある.本研究の目的は体臭対策として理学療法士に香りがあった場合の賛否とその理由を調べることと,アンケート項目との関連を調べることである.〔対象と方法〕理学療法士役の学生に石鹸の香りのミストを付け,トランスファー介助動作を行わせた.患者役の男女学生にその印象と日頃のにおいに関してのアンケートを行い,関連を調べた.〔結果〕男性81.8%,女性51.6%がミストに肯定的で,理由は「清潔感がある」が多く,否定的な理由は「無臭がいい」が多かった.ミストの賛否とアンケート項目には関連はみられなかった.〔結語〕ミストには肯定的であっても,理学療法士に香りがあることには否定的な意見もあり様々であった.臨床現場に受け入れられる香りの探求が課題である.
  • 楠 貴光, 早田 荘, 大沼 俊博, 渡邊 裕文, 鈴木 俊明
    2018 年 33 巻 1 号 p. 101-107
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕両側と一側上肢の前方挙上保持時の多裂筋,腰最長筋,胸最長筋,腸肋筋の活動と脊柱運動の相違を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は健常成人20名とした.課題は座位にて両側と一側上肢を前方挙上30°から150°の範囲で30°ごとに保持させた.〔結果〕両側課題の多裂筋は30°と90°,30°から120°と150°で,腰最長筋は90°と150°で有意差を認めた.一側課題の両側多裂筋は60°,90°と150°で,挙上側胸最長筋は90°と150°で有意差を認めた.また90°での体幹後傾は両側課題で大きく,一側課題では非挙上側側屈を伴った.〔結語〕一側課題は胸腰部非挙上側側屈を挙上側胸最長筋が制動する.また両側課題は,90°の胸腰部伸展に伴う体幹後傾に多裂筋が骨盤肢位保持に関与する.
  • 大見 頼一, 加藤 宗規, 栗原 智久, 関 大輔, 井上 拓海, 井上 瑞穂, 広瀬 統一
    2018 年 33 巻 1 号 p. 109-115
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕膝前十字靭帯再建術後(ACLR)の若年女性選手の片脚着地動作,動的バランス,下肢筋力の患側と健側の非対称性が,予防介入によって改善するか検証した.〔対象と方法〕ACLR後に予防リハビリテーションを行ってスポーツ復帰した女性12名とした.復帰時に片脚着地動作での膝外反・屈曲角,Modified star excursion balance test(以下,M-SEBT),下肢筋力(膝伸展・屈曲,股外転・外旋)の測定を行った.各項目の患側と健側の差を比較し,Limb symmetry index(LSI)を算出した.〔結果〕膝外反・屈曲角とM-SEBTに患健差はなかった.下肢筋力のLSIはすべて90%以上だった.〔結語〕この予防介入によって,患側と健側の非対称性は改善すると考えられた.
  • 草場 正彦, 友金 祐介, 吉村 紳一
    2018 年 33 巻 1 号 p. 117-120
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳腫瘍患者の診断前の初期症状と,初期症状から病院に受診するまでの期間を調査した.〔対象と方法〕悪性脳腫瘍患者70名を対象とし,現病歴から初期症状と初期症状から病院を受診するまでの期間を調査した.症状ごとで病院に受診するまでの日数を比較した.〔結果〕各初期症状の患者人数,病院を受診するまでの期間は認知機能障害18名,34.5 ± 25.9日,運動麻痺11名,12.4 ± 10.2日,頭痛,吐き気15名,14.2 ± 9.6日,痙攣発作10名,0日,その他16名であった.認知機能障害を初期症状とする場合に,病院受診が最も遅いことが明らかとなった.〔結語〕脳腫瘍を合併しやすい患者を担当する場合,認知機能を注意深く観察することが重要である.
  • 刀坂 太, 楠 貴光, 早田 荘, 赤松 圭介, 藤本 将志, 大沼 俊博, 渡邊 裕文, 三輪 成利, 鈴木 俊明
    2018 年 33 巻 1 号 p. 121-126
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕中殿筋と大殿筋の股関節に対する作用を明確にするために各線維を分け,股関節伸展および外転保持時の筋活動を検討した.〔対象と方法〕対象は健常男性10名とし,平均年齢は24.4歳であった.超音波画像診断装置を用いて中殿筋,大殿筋の各筋線維およびこれらが重層する部位を描出した.そして股関節伸展課題および外転課題にて1 kgごとに4 kgまでの重量負荷を加え,各筋線維の筋電図を測定した.〔結果〕股関節伸展課題では中殿筋後部線維,重層部位および大殿筋上部線維の筋活動は4 kgの重量負荷にて増大した.また股関節外転課題では中殿筋の各線維の筋活動は4 kgの重量負荷にて増大し,重層部位の筋活動は3 kg以上の重量負荷にて増大した.〔結語〕中殿筋,大殿筋の各筋線維は各々の作用に対する筋活動の増大を認めたが,大殿筋上部線維は股関節外転課題に関与しなかった.
  • 滝澤 恵美, 鈴木 雄太, 小林 育斗
    2018 年 33 巻 1 号 p. 127-132
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕異なる股関節肢位でスクワットを行い,大内転筋が発揮する伸展トルクの特徴から役割を検討した.〔対象と方法〕健常男性1名が股関節内外転,回旋中間位(NS)と外転,外旋位(SS)でスクワットを行い,大内転筋と股関節伸展筋が発揮する伸展トルクを筋骨格モデルを用いて推定し,比較した.〔結果〕NSとSSともに,大内転筋や大殿筋,大腿二頭筋長頭が発揮する伸展トルクは半膜様筋や半腱様筋よりも大きかった.〔結語〕大内転筋は,前額面や水平面の股関節肢位に関わらず,中腰姿勢を伴う動作に対して抗重力筋の役割を有すると推察された.
  • 綿谷 昌明, 綿谷 睦子, 白川 剛, 河上 賢一, 川端 悠士, 綿貫 茂喜
    2018 年 33 巻 1 号 p. 133-139
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕神経動力学検査を用いて下肢末梢神経系の可動性(MON)の量的評価を検討した.〔対象と方法〕成人男性10名を対象とし下肢伸展挙上(SLR)0°,45°,他動的頸椎屈曲(PNF),足関節底屈(PF)10°,背屈(DF)15°で脛骨神経の近位・遠位分岐部の神経動態を超音波画像診断装置で確認した.MONはPNFのPFとDFの最大SLRの差と神経動態,近位/遠位比を確認した.〔結果〕脛骨神経はSLR0°のDFは尾側へ,他は頭側へ移動し,SLR45°でのPNFのDFの近位と遠位で有意差を認めた.PNFのPFとDFの最大SLRの差と近位/遠位比の間に強い負の相関を認めた.〔結語〕神経は緊張の増加に対し滑走した後に伸張した.PNFのPFとDFの最大SLRの差はMONの量的評価となる可能性を示唆した.
  • 山田 和政, 千原 壮智, 木村 大介, 古川 公宣, 渡邊 和子
    2018 年 33 巻 1 号 p. 141-144
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕単一課題歩行時と二重課題歩行時における眼球運動を比較検討した.〔対象と方法〕若年健常者14名に対し,計算課題の有無による歩行時の両眼の合成運動角度を,眼球運動測定システムを用いて測定・比較した.〔結果〕両眼の合成運動角度は,計算課題なしでの歩行時と比較して計算課題ありでの歩行時で有意に増大した.〔結語〕二重課題歩行時の眼球運動の増大は,計算課題処理に必要とされる注意配分の増加により引き起こされ,計算しながらの歩行では,前方の視界への注意力が低下していることが示唆された.
  • —信号検出分析による臨床応用を目指した検討—
    吉松 竜貴, 加辺 憲人, 橋本 祥行, 牧迫 飛雄馬
    2018 年 33 巻 1 号 p. 145-150
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中患者の回復期リハビリテーション病棟入院時情報から3ヵ月後の歩行自立を判別するための予測チャートを作成すること.〔対象と方法〕初発脳卒中患者251例を対象として,入院時の身体機能と認知機能,基本動作自立度,バランス能力,日常生活自立度から入院3ヵ月後の歩行自立を予測するための決定木を,信号検出分析法にて求めた.〔結果〕起居動作能力,バランス能力,認知機能が有意な予測因子として抽出され,入院3ヵ月後の歩行自立を予測するための決定木が得られた.〔結語〕脳卒中の回復期に適応した歩行自立の予測チャートが作成された.
  • 貞清 香織, 佐々木 拓良, 杉田 裕汰, 前田 聖也, 遊佐 彩野, 渡邉 真奈, 貞清 秀成, 石坂 正大, 久保 晃
    2018 年 33 巻 1 号 p. 151-154
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕家庭用身体組成計の臨床利用の可能性を検討するため従来使用されている生体インピーダンス法の身体組成計と比較した.〔対象と方法〕健常若年男性108名,女性83名とした.異なるBIA法の身体組成計で身体組成を計測し,各機器で体重,BMI,体脂肪率,全筋肉量,四肢・体幹筋肉量を測定した.統計解析は,男女別に測定値および算出値を比較し,Pearsonの相関係数を求めた.〔結果〕男性は体重,BMI,全筋肉量,左右脚・体幹筋肉量,除脂肪量,SMI,FFMIに差がみられ,女性は,体重,BMI,体脂肪率,左右脚・体幹筋肉量,脂肪量,FMIにおいて差がみられ,全項目で極めて強い相関がみられた.〔結語〕機器により測定値に違いはあるが臨床で利用可能であると考える.
  • — 一整形外科における後方視的調査—
    髙橋 真, 岩本 浩二, 水上 昌文, 井波 博, 桑水流 学, 宮田 賢児, 山口 勝也, 嶽本 伸敏, 井河 武, 宮内 幸男
    2018 年 33 巻 1 号 p. 155-158
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は足関節捻挫(捻挫)における外果骨損傷の有病率と治癒過程を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は2015年1月から2017年1月に受診した捻挫患者の37例とし,骨損傷(14例)と靭帯損傷(23例)に分類した.〔結果〕骨損傷の有病率は38%,年齢は47.4歳,安静期間は49.1日,完治期間は102.7日,スポーツ受傷は14例中3例であった.年齢は骨損傷が靭帯損傷と比較して高値を示した.骨損傷はスポーツ動作での受傷が少なかった.〔結語〕骨損傷は捻挫の約4割に認め,年齢が高く,スポーツ動作での受傷が少なかったため,日常生活動作へのアプローチが必要と示唆された.骨損傷は完治期間が約3ヵ月であり,靭帯損傷との有意差がなかったことから,約7週の安静期間は損傷部位の治癒に重要と考察された.
  • 松田 憲亮, 池田 翔, 鶴 大輔, 永井 良治, 中原 雅美, 池田 拓郎, 光武 翼
    2018 年 33 巻 1 号 p. 159-163
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕女性前期高齢者のプレフレイルに影響する要因を分析することを目的とした.〔対象と方法〕前期高齢女性78名を対象とした.フレイル判定基準により,フレイルであったもの3名を除き,プレフレイル群と健常群に分け,各評価項目値の2群間比較を行った.また,多重ロジスティック回帰分析によりプレフレイルに影響する要因を検討した.〔結果〕プレフレイルへ関連する要因としてBody Mass Index,転倒自己効力感,健康意識,歩行速度が有意な独立変数として選択された.〔結語〕女性前期高齢者ではBody Mass Indexの増加や移動能力低下以外に精神的・心理的側面の低下がプレフレイルに関連することが示唆された.
  • —Multi-segment foot modelを用いた分析—
    江戸 優裕
    2018 年 33 巻 1 号 p. 165-168
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕歩行時の後足部および前足部の回内外と下肢運動の関係を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常若年者16名とした.三次元動作解析システムと床反力計を用いて歩行を計測し,Oxford foot modelにより捉えた後,前足部の回内外と下肢運動の関係を分析した.〔結果〕Loading Responseに後足部が回内するほど膝関節内的伸展モーメントや足関節内的背屈および回外モーメントが大きく,また立脚期後半に前足部が回内するほど,膝関節内反角度および内的外反モーメントが大きかった.〔結語〕Loading Responseの後足部回内は膝と足の骨性の支持を緩めて衝撃吸収に寄与し,立脚期後半の前足部回内は膝を外方化することが示唆された.
  • 江戸 優裕, 西江 謙一郎, 根本 伸洋, 中村 大介
    2018 年 33 巻 1 号 p. 169-172
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕歩行時の足圧中心軌跡と距骨下関節の関係を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常成人10名とした.足圧分布測定器を用いて至適速度での裸足歩行時の後・中・前足部における足圧中心位置を捉えた.そして,距骨下関節に関わる10項目の理学所見との関係を分析した.〔結果〕足圧中心は後足部から中足部までは足底やや外側を通り,前足部では内側に抜けていく軌跡を描いた.また,足圧中心が後足部と前足部レベルで外方を通過するほど,距骨下関節回内可動性が小さいことがわかった.〔結語〕距骨下関節回外筋の習慣的な活動が,歩行時の足圧中心軌跡の外方化と距骨下関節回内可動性の減少を招くことが示唆された.
  • 江戸 優裕, 柿崎 藤泰, 山本 澄子, 角本 貴彦, 石田 行知
    2018 年 33 巻 1 号 p. 173-176
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕体幹の回旋運動に伴って副次的に生じる胸郭の前後・左右への並進の運動特性を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常若年者13名とした.光学式三次元動作解析システムを用いて立位での身体の回旋動作を計測し,骨盤に対する胸郭の回旋角度と前後・左右への偏位距離を分析した.〔結果〕体幹の回旋には前方および回旋と反対側への胸郭の並進が伴っていた.また,回旋に伴う前方並進が大きければ対側並進が小さく,前方並進が小さければ対側並進が大きかった.〔結語〕体幹の回旋に伴う胸郭の前方並進と回旋と反対側への並進は補完的な関係にあることが示唆された.
  • 甘利 貴志, 藤田 博曉, 大久保 栄造, 堀内 俊樹, 坂本 祐太, 大森 舞子, 渡邉 浩文
    2018 年 33 巻 1 号 p. 177-182
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕外来通院患者に対してDiabetic Polyneuropathy(以下,DPN)の有無で身体機能,身体組成の比較を行った.〔対象と方法〕対象は外来2型糖尿病患者32名とした.DPN群と非DPN群に分け,身体機能,身体組成,運動習慣の有無,身体活動量の比較を行った.〔結果〕身体機能ではDPN群においてFRTの有意な低下を認めた(p<0.05).膝伸展筋力,握力,片脚立位時間,6 m通常および最速歩行速度,6 m通常および最速歩行の歩幅のいずれも有意差を認めなかった.身体組成,アンケートにおいても有意差は認めなかった.〔結語〕DPN群は動的バランス能力がより低下していた.外来糖尿病教室ではDPNの評価を行い,バランス能力の改善を図ることや,転倒予防を含めた生活指導を行う必要性が示唆された.
  • 山田 健二, 須藤 明治
    2018 年 33 巻 1 号 p. 183-186
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕足把持力と足関節周囲筋との関係について明らかにすることとした.〔対象と方法〕健康な男子大学生8名を対象とした.足把持力の計測は,足指筋力測定器を用いて任意の片足とした.最大把持時における前脛骨筋,腓腹筋外側頭,母趾外転筋,短趾屈筋の筋活動量を計測した.〔結果〕足把持力と筋活動量との関係において,前脛骨筋,母趾外転筋,短趾屈筋との間に正の相関関係が認められた.〔結語〕足把持力と筋活動量の関係が明らかになった.足把持力には,母趾だけでなく全ての趾が重要であることが考えられ,全ての足趾を鍛えることが重要であると推察された.
症例研究
  • —ABAシングルケースデザイン—
    酒井 克也, 池田 由美, 山中 誠一郎, 野口 隆太郎
    2018 年 33 巻 1 号 p. 187-190
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ギランバレー症候群により足関節背屈機能障害を呈した症例を担当し,視覚誘導性自己運動錯覚(Kinesthetic Illusion Induced by Visual Stimulation:KiNvis)を実施した結果,効果が得られたので報告する.〔対象と方法〕対象はギランバレー症候群により左足関節背屈機能障害を呈した50歳代男性とした.ABAシングルケースデザインを実施し,各々3日ずつとした.A期を基礎水準期,B期を操作導入期とし,B期のみKiNvisを付加した.評価は運動錯覚の程度と身体イメージ,足関節背屈運動角度,歩行速度とした.〔結果〕B期に運動錯覚が生じ,身体イメージも変化した.左足関節背屈運動角度はA1期平均2 ± 0°からB期にて平均5.6 ± 0.5°へ改善し,A2期も平均5.3 ± 1.1°と効果が継続した.歩行速度はA1期にて平均0.81 ± 0.12 m/secであり,B期は平均1.25 ± 0.13 m/secに改善し,A2期にて平均1.22 ± 0.09 m/secと効果が持続した.〔結語〕KiNvisにより足関節背屈機能が改善した可能性が示唆された.
紹介
  • 梅井 凡子, 沖田 一彦, 谷出 康士, 下宮 誠司, 田中 聡
    2018 年 33 巻 1 号 p. 191-196
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    〔目的〕がん患者の症例検討が学生に与えた影響を調査することである.〔対象と方法〕「理学療法模擬患者演習Ⅰ」を受講した31名とした.すべての演習終了時に,余命がはっきりしている場合の理学療法の必要性についてとその場合の自分自身の関与についてのアンケート調査を行った.〔結果〕余命がはっきりしている場合の理学療法の必要性については58.1%がかなり必要があるほうへと変化した.余命がはっきりしている場合の理学療法の自分自身の関与については48.4%が少し関与したいほうへと変化した.〔結語〕学生はがん患者に対する症例検討を通して理学療法の必要性についての認識が向上したと考えられる.また,今回実施した症例検討は今後臨床でがん患者の理学療法を行う際の一助になると考えられる.
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