2018 年 33 巻 5 号 p. 783-786
〔目的〕通常歩行速度とトレッドミル歩行速度を比較し,健常高齢者と若年者の歩行速度の変化について明らかにすることである.〔対象と方法〕健常高齢者30名,若年者41名の計71名とした.トレッドミル歩行は足圧分布計測機能付きトレッドミルを使用し,至適速度で30秒間,歩行速度,重複歩距離,歩調を計測した.通常歩行の10 m歩行速度も計測した.〔結果〕健常高齢者および若年者では通常歩行と比較し,トレッドミル歩行速度が有意に低下した.若年者と比較し,トレッドミル歩行の歩行速度,重複歩距離,歩調が有意に低下した.〔結語〕高齢者ではトレッドミル歩行に十分に適応できず,歩行パターンの変化が起こり,転倒リスクが上昇することが示唆された.