理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
33 巻 , 5 号
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原著
  • 遠藤 佳章, 小野田 公, 久保 晃
    2018 年 33 巻 5 号 p. 733-737
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕左右腰椎各レベルの多裂筋横断面積と体組成との相関関係を明らかにする.〔対象と方法〕対象は若年健常男性48名とした.超音波画像診断装置で左右腰椎各レベルの多裂筋横断面積(LM)を測定,InBodyで体組成(体重,BMI,FMI,FFMI,SMI,骨格筋量,左右上肢筋量,体幹筋量,左右下肢筋量)を測定および算出した.身長は身長計にて測定した.〔結果〕体重,身長,右脚筋量は左右全腰椎LMと,BMIは右L3~5,左L4,5のLMと,FFMIは左L4のLMと,SMI,左脚筋量は右L2~5,左全腰椎LMと,右腕筋量,左腕筋量,体幹筋量は右L3~5,左の全腰椎LMと,骨格筋量は右L1, L3~5,左全腰椎LMと正の相関を示した.〔結語〕左右腰椎各レベルの多裂筋横断面積と各々の体組成は関係性が各々異なることが示唆された.
  • 辻 修嗣, 宮﨑 純弥
    2018 年 33 巻 5 号 p. 739-742
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕片側と両側で行うFunctional Reach Test(FR)における体幹の回旋および側屈運動と,肩甲胸郭関節における肩甲骨外転の影響に加え,リーチ距離とcenter of pressure(COP)軌跡の前後・左右各移動距離との関係性について明らかにすることとした.〔対象と方法〕健常成人男女21名とした.一般的なFRと体幹の運動を抑制した両FRの2種類のリーチ課題を行い,最大リーチ距離と最大到達時の体幹の回旋・側屈角度,肩甲骨の外転距離,COP軌跡を測定し,各変数の比較と各変数間の相関について検証した.〔結果〕両課題の比較において有意差を認めたのは,リーチ距離と左右X軸COP軌跡長,体幹回旋角度,肩甲骨外転距離の4項目で,有意差を認めなかったのは前後Y軸COP軌跡長と体幹側屈角度の2項目だった.FRでは体幹の回旋に伴い肩甲骨は外転し,両FRでは肩甲骨は上方回旋することが推察された.Y軸COP軌跡長とリーチ距離との相関の強さは両測定で同等であり,FRにおいて体幹の回旋と側屈に負の相関を認めた.〔結語〕FRの運動要素には,体幹の回旋と肩甲胸郭関節における肩甲骨の外転運動,COPの測定上肢側への側方移動が含まれていた.一方,両FRの運動要素は,体幹の回旋や側屈運動,COPの側方移動はわずかで,肩甲骨は上方回旋していると考えられた.FRと両FRは,このような運動戦略を含んだ姿勢制御を行い,同等の安定性限界を反映する動的バランステストであることが示唆された.
  • 金子 秀雄, 出利葉 ゆうき, 川波 奈緒, 河野 真実, 谷口 祐貴
    2018 年 33 巻 5 号 p. 743-746
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕胸郭運動制限が咳嗽時最大呼気流量と努力性肺活量に及ぼす影響を明らかにすること.〔対象と方法〕健常男性24名を対象に上部胸郭,下部胸郭,上部胸郭と下部胸郭の3種類の運動制限と制限なしの4条件における咳嗽時最大呼気流量と努力性肺活量を測定した.〔結果〕胸郭運動制限により努力性肺活量は有意に減少し,それに比例して咳嗽時最大呼気流量は有意に減少した.咳嗽時最大呼気流量は,下部胸郭より上部胸郭の運動制限条件で有意に減少した.〔結語〕健常若年男性における咳嗽時最大呼気流量は,胸郭運動制限による努力性肺活量減少に比例した変化を示し,胸郭運動制限部位の違いに影響される可能性があることがわかった.
  • 小林 怜司, 浦辺 幸夫, 沼野 崇平, 小宮 諒, 福井 一輝, 前田 慶明
    2018 年 33 巻 5 号 p. 747-750
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕母趾球荷重が,選択移動時間に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は,健常男子大学生12名とした.選択移動時間は,ランプ発光後できるだけ素早く中央マットから左右マットにサイドステップで移動し,中央マットから両足が離地するまでの時間として測定した.直立姿勢,母趾球荷重を意識していない構え姿勢,母趾球荷重を行った構え姿勢の3条件で選択移動時間を測定し,同時に右脚の内側広筋,腓腹筋,長腓骨筋の筋活動開始時間を測定した.〔結果〕母趾球荷重を行った構え姿勢で,内側広筋と長腓骨筋の筋活動開始時間ならびに選択移動時間が短縮した.〔結語〕母趾球荷重を行った構え姿勢で,選択移動時間が短縮することが明らかになった.
  • 原 毅, 齋藤 崇志, 石井 貴弥, 小暮 英輔, 三浦 弘規, 渡辺 修一郎, 久保 晃
    2018 年 33 巻 5 号 p. 751-756
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,我々が開発した病院版Functional Independence and Difficulty Scale(FIDS-H)で頭頸部がん患者を評価し,FIDS-Hと他の身体機能評価との関連を検証した.〔対象と方法〕対象は,化学療法や放射線治療を受けている頭頸部がん患者14例とした.評価項目としてFIDS-H以外にADLをFunctional Independence Measure(FIM),Karnofsky Performance Status(KPS),Short Physical Performance Battery(SPPB),握力(Grip Strength:GS),血清アルブミン値を収集し,併存的妥当性を検討した.〔結果〕FIDS-Hは,FIMと比較してKPS,SPPB,GSと強い正の相関係数を認めた.〔結語〕FIDS-Hは,化学療法や放射線治療を受けている頭頸部がん患者を対象とした場合,FIMと比較して身体機能に関連する構成概念を多く反映する可能性が示唆された.
  • 小暮 英輔, 原 毅, 石井 貴弥, 前田 眞治, 今井 正樹
    2018 年 33 巻 5 号 p. 757-760
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕腹腔鏡手術を受けた消化器がん患者の手術部位の違いで倦怠感,体格,運動耐容能に影響があるかを調査した.〔対象と方法〕対象は胃がん患者12例,大腸がん患者30例とした.Body Mass Index(BMI),Cancer Fatigue Scale(CFS),6分間歩行距離(6-minute walk distance:6MWD)を手術前・手術後・退院後に評価し,胃がん患者と大腸がん患者で比較した.〔結果〕BMI,CFS,6MWDで有意な交互作用を認め,胃がん患者の方がどの時期においてもBMIは低値,CFSは高値であった.加えて退院後6MWDは手術前より低値だった.〔結語〕大腸がん患者より胃がん患者の方が,BMIや運動耐容能は低下しており,倦怠感が増強しやすい可能性が示唆された.
  • 坂本 竜司, 酒井 孝文, 松尾 慎, 高見 博文
    2018 年 33 巻 5 号 p. 761-767
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ホットパックによる温熱刺激が,動作訓練前処置としての有用性を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕健常男性20名を対象に,湿熱法によるホットパック温熱刺激を与える場合,与えない場合において,角速度60°/sおよび180°/sでの経時的な膝関節伸展筋出力を測定した.〔結果〕温熱刺激を与えた場合,角速度60°/sにおいて,最大筋出力および筋出力積分値ともに,15分後に有意な増加を認めた.角速度180°/sでは,温熱刺激を与えた場合のみ,初期評価時と比較し,9分後以降に有意な増加を認めた.〔結語〕ホットパックによる温熱刺激を与えつつ筋収縮を促すことで,筋出力が向上することから,動作訓練前処置として有用であると考えられた.
  • 大堀 勇樹, 石坂 正大, 糸数 昌史, 貞清 香織, 久保 晃, 遠藤 佳章
    2018 年 33 巻 5 号 p. 769-773
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕第5中足骨基部骨折は術後の後療法が難しい疾患であり,骨折から競技復帰までの体組成成分および下肢周径の経時的変化を明らかにする.〔対象と方法〕対象者20歳男性で,フットサルの練習試合中に転倒し右第5中足骨基部骨折を受傷した.その後,7週間の免荷期間を経て,7ヵ月後に競技復帰した.〔結果〕術後の免荷時に体重および全身筋量は低下し,右脚の筋肉率は低下するものの左脚の筋肉率が増加する傾向であったが,大腿および下腿周径の左右差はみられなかった.〔結語〕免荷時の大腿および下腿周径の変化は生じにくいが,体組成成分の筋肉率では低下がみられた.
  • 中越 竜馬, 武政 誠一
    2018 年 33 巻 5 号 p. 775-778
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕整形外科に通院している地域在住高齢者の転倒の有無と生活活動量および健康関連QOLとの関連性を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕整形外科に通院する地域在住高齢者30名とした.質問紙により転倒の有無,LSA,FES,SF-36の聞き取り調査をし,転倒の有無により2群に分け比較した.〔結果〕非転倒群より転倒群では,LSA,FES,SF-36の「PF」が有意に低くなった.〔結語〕転倒経験のある高齢者では, 転倒したことで転倒恐怖感を持ち活動への自信をなくし,生活における活動の制限がみられ,生活活動量が低下することが示唆された.
  • 森 拓也, 宮川 良博, 澳 昴佑, 橋本 雅史, 森井 裕太, 小林 功, 川原 勲
    2018 年 33 巻 5 号 p. 779-782
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕表面筋電図(EMG)の周波数解析にて,筋線維別周波数分布割合の評価を行う方法を検討することである.〔対象と方法〕健常成人24名とした.腓腹筋の随意収縮(VC)と最大随意収縮(MVC)の等尺性収縮中の筋活動をEMGで測定した.パワースペクトラム分析にて0~260 Hzにおける周波数分布における振幅の割合に変換した.それらを筋線維別に比率化し,周波数パターンと解析を行った.〔結果〕VCとMVC間で筋線維別周波数分布割合に有意差は認めなかった.また,解析にて得られたType I,Type II線維の比率はVC群でType I41.4%,Type II58.5%,MVC群でType I47.1%,Type II52.8%であった.〔結語〕本研究の解析方法では,腓腹筋は収縮強度に関わらず一定の周波数パターンであることが明らかとなった.
  • 森 彩子, 酒井 孝文, 坂本 竜司
    2018 年 33 巻 5 号 p. 783-786
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕通常歩行速度とトレッドミル歩行速度を比較し,健常高齢者と若年者の歩行速度の変化について明らかにすることである.〔対象と方法〕健常高齢者30名,若年者41名の計71名とした.トレッドミル歩行は足圧分布計測機能付きトレッドミルを使用し,至適速度で30秒間,歩行速度,重複歩距離,歩調を計測した.通常歩行の10 m歩行速度も計測した.〔結果〕健常高齢者および若年者では通常歩行と比較し,トレッドミル歩行速度が有意に低下した.若年者と比較し,トレッドミル歩行の歩行速度,重複歩距離,歩調が有意に低下した.〔結語〕高齢者ではトレッドミル歩行に十分に適応できず,歩行パターンの変化が起こり,転倒リスクが上昇することが示唆された.
  • 湊 有彩, 小野田 公, 堀本 ゆかり, 丸山 仁司
    2018 年 33 巻 5 号 p. 787-790
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕音楽には,認知処理速度の向上や運動時のパフォーマンスへの影響が報告されている.本研究では背景音楽聴取時の反応時間への効果を明らかにした.〔対象〕健常成人 20名を対象とした.〔方法〕対象者に背景音楽聴取時の反応時間の測定を行った.安静時座位にて背景音楽として洋楽,クラシック,アニメソング,オルゴールの聴取中と無音時の反応時間をそれぞれ測定した.〔結果〕洋楽群はオルゴール群とクラシック群よりも有意に速く,アニメソング聴取はクラシック群,オルゴール群よりも速い傾向であった.〔結語〕テンポの速い曲はテンポの遅い曲と比較して反応時間が速くなることが示唆された.
  • 姫澤 孝典, 田中 聡, 金井 秀作, 島谷 康司, 大塚 彰
    2018 年 33 巻 5 号 p. 791-794
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,海浜環境での活動がリラックス効果を中心とした心理的側面に及ぼす影響を検証することである.〔対象と方法〕健常成人の男女27名(平均年齢36.7 ± 15.4歳)を対象とした.方法は海浜環境でストレッチング,ウォーキングなどの活動を行った際と,通常の日常生活時の感情や気分について気分プロフィール検査(日本語版POMSTM短縮版)を使用し統計的に比較した.〔結果〕海浜環境で活動した場合には日常生活時と比べ,「緊張–不安」や「抑うつ–落ち込み」,「怒り–敵意」,「疲労」,「混乱」といったネガティブな気分が有意に低く,「活気」といったポジティブな気分の有意な上昇が認められた.〔結語〕海浜環境という非日常体験での活動によりリラックス効果を得ることができたと考えられる.
  • 清水 俊行, 北川 篤, 原 良昭, 大門 守雄, 菅 美由紀, 松本 恵実, 三浦 靖史
    2018 年 33 巻 5 号 p. 795-800
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕末期両側性変形性膝関節症患者の歩行速度に関与する因子を明らかにする.〔対象と方法〕女性患者13例を対象とし,三次元動作解析装置を用いて歩行速度,歩幅,遊脚・立脚時間,床反力,膝関節角度と角速度を算出した.両下肢を膝ROMによりROMが少ない下肢(less ROM)とその反対側(more ROM)に区分し比較した.さらにステップワイズ重回帰分析を行い,歩行速度に関与する因子を検討した.〔結果〕歩行速度に関与する因子としてmore ROM側床反力前後成分駆動期平均力積値とless ROM側遊脚中期膝屈曲角度が抽出された.〔結語〕歩行速度にはmore ROM側の立脚中期以降の駆動とless ROM側遊脚中期の最大膝屈曲角度が関与していると示唆された.
  • 佐藤 珠江, 吉田 茜, 長谷川 菜生, 浦野 明日香, 殿村 由樹, 椛澤 里沙, 小野田 公
    2018 年 33 巻 5 号 p. 801-805
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本学理学療法学科に在籍する女子学生の月経症状の程度と生活スタイルを明らかにすること,月経困難症,月経前症候群(PMS),月経前不快気分障害(PMDD)の実態とそれぞれの認知度を明らかにすること.〔対象と方法〕本学女子大学生115名(年齢:20.7 ± 1.31歳)を対象とし,PMDD評価尺度と独自に作成した質問紙にて月経症状と生活スタイルを調査した.〔結果〕84%の人が月経前症状を有しており,22.5%が月経周期異常をきたしており,53.2%が月経中に鎮痛薬を服薬することが明らかとなった.月経困難症,PMSおよびPMDDについて,6割以上の学生が「知らない」と回答していた.〔結語〕早期から病態について理解し対処する必要がある.
  • 水田 諒, 篠崎 みのり, 蛭田 綾, 山下 信大, 江戸 優裕, 具志堅 敏
    2018 年 33 巻 5 号 p. 807-810
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕体幹の回旋に伴って生じる胸郭の前後左右への並進運動に,肋間筋ストレッチが与える影響を明らかにすることとした.〔対象と方法〕健常若年男性18名とした.計測課題は立位での身体回旋動作とし,三次元動作解析システムを用いて骨盤に対する胸郭の回旋角度と前後左右への偏位距離を計測し,体幹左側屈位での右肋間筋ストレッチ前後で比較した.〔結果〕体幹の回旋には前方および回旋と反対側への胸郭の並進が伴い,右肋間筋ストレッチによって右回旋時の胸郭の左方並進が減少した.〔結語〕体幹の回旋に伴う胸郭の前方,かつ回旋と反対側への並進は,肋間筋ストレッチによりコントロールできる可能性がある.特に,右側胸部を主とした肋間筋ストレッチは体幹右回旋に伴う胸郭の左並進を抑制する.
  • 萩原 晃, 宮澤 佳之, 朝倉 智之, 臼田 滋
    2018 年 33 巻 5 号 p. 811-815
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕歩行開始動作(GI)とステップ動作(Step)の先行随伴性姿勢調節について,足圧中心(COP)軌跡の観点から動作や速度による違いを明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人男性13名を対象とした.シート式下肢加重計を用いて,快適速度と最大速度にてGIとStepを測定した.各動作において,COPの後方移動量や側方移動量,移動速度を算出した.〔結果〕動作による比較では,GIに比べStepで後方移動量が有意に低値を示した.速度による比較では,動作速度が増加することでCOPの後方移動量や側方移動量,移動速度は有意に高値を示した.〔結語〕GIはStepに比べ,COPの後方移動量が高値となることが明らかとなり,各動作の違いは前後方向の姿勢制御であることが示唆された.
  • 芦澤 遼太, 吉本 好延, 山下 和馬, 望月 瑛里, 大河原 健伍, 武 昂樹
    2018 年 33 巻 5 号 p. 817-821
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕座位行動を減少させることが脳心血管病リスク因子を改善させるかは明らかではない.本研究の目的は,座位行動の減少が脳心血管病リスク因子の改善に有効かどうかを文献的に明らかにすることである.〔対象と方法〕検索語を“Sit Less”or“Breaking Sitting”and“Intervention”としてシステマティックレビューを実施した.〔結果〕10編が選択され,9編は少なくとも一つの脳心血管病リスク因子に関連する効果指標の改善を認めた.糖代謝や脂質代謝に関連する効果指標の改善は6編で確認され,いずれも短期効果を示す内容であった.〔結語〕長時間の座位行動を立位や歩行に置換することによる座位行動の減少は,糖代謝や脂質代謝を短期的に改善させる可能性が高いことが示唆された.
  • 渡邉 五郎, 亀井 里香, 星 賢治, 蒲田 和芳
    2018 年 33 巻 5 号 p. 823-828
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕内反スラストの判定において,加速度計と肉眼観察との整合性を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕若年健常女性19名を対象とした.自由な足踏み,膝関節完全伸展位での足踏み,スクワットについてビデオ画像上で肉眼的に内反スラストの有無を判定した.加速度計を腓骨頭に貼付して,肉眼観察と同じ3動作を行わせ,ROC曲線より膝関節の外方偏位量のカットオフ値を算出した.〔結果〕膝関節完全伸展位での足踏みにおいて,肉眼観察では9名が,加速度計にて11名が内反スラストありと判定された.19名中13膝で,肉眼観察と加速度計による判断が一致した.〔結語〕健常若年女性における加速度計と肉眼観察による内反スラストの有無の判断は完全には一致しなかった.
  • 正井 美幸, 北谷 正浩, 山崎 俊明
    2018 年 33 巻 5 号 p. 829-834
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕積雪・過疎地域の冬季における,虚弱の女性高齢者に対する介護予防事業の効果をサルコペニアと非サルコペニアに群分けして分析した.〔対象と方法〕対象者は介護予防基本チェックリストで選定された虚弱の女性高齢者44名で,冬季に介入した.測定項目は筋肉量などを含めた身体機能項目とし,介護予防基本チェックリストを実施した.プログラムは週1回90分間とした.〔結果〕介入前後ではどちらの群においても身体機能に有意差はなかった.サルコペニア群で介入前は閉じこもりが有意に多かったが,介入後には閉じこもりが少なくなり,2群間に有意差がみられなかった.〔結語〕活動性や身体機能の低下が予測される積雪・過疎地域の冬季においても,週1回の介入で閉じこもりの改善や機能維持に効果がある可能性が示唆された.
症例研究
  • 遠藤 佳章, 小野田 公, 久保 晃
    2018 年 33 巻 5 号 p. 835-838
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕出産後に腰痛が出現した初産婦の産前産後の脊柱弯曲角,体幹筋厚の変化を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は29歳女性(初産婦)1名.スパイナルマウスで仙骨傾斜角,胸椎後弯角,腰椎前弯角,体幹傾斜角を,超音波画像診断装置で外腹斜筋,内腹斜筋,腹横筋の筋厚を測定した.妊娠14週,出産直前(妊娠39週),出産直後,出産後8週,出産後18週に計測を実施した.〔結果〕妊娠中盤から出産直前にかけて胸椎後弯が減少した.出産直前と直後は脊柱弯曲角の変化がなかった.出産後は腰椎前弯が増し,腰痛が増した.妊娠中は出産後と比べ体幹筋厚が薄くなった.〔結語〕妊娠中は姿勢変化があること,出産直前直後では大きく姿勢に変化がみられないこと,産後も姿勢変化があること,産前産後で体幹筋厚に変化があることが示唆された.
  • 戸髙 良祐, 野村 心
    2018 年 33 巻 5 号 p. 839-844
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕体幹機能および起居動作能力の向上を目的とした,腹部筋への神経筋電気刺激(NMES)と起居動作の課題指向型トレーニング(TOT)における併用効果を検証すること.〔対象と方法〕2度の脳卒中により両片麻痺を呈し回復期リハビリテーション病棟へ入院した患者1名.入院後2ヵ月時までは身体機能やFIMに改善を認めたものの,2ヵ月時から3ヵ月時までは,改善が得られていない状態であった.3ヵ月時から1ヵ月間,腹部筋へのNMESを行うと同時に,起居動作のTOTを行った.〔結果〕起居動作の獲得に至るとともに,体幹機能の向上を認めた.〔結語〕腹部筋へのNMESとTOTの併用は,起居動作および体幹機能の向上に有効な手段である可能性が示唆された.
  • 矢田 拓也, 川崎 翼, 大平 雅弘
    2018 年 33 巻 5 号 p. 845-850
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/10/26
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肩甲骨アライメントを修正することを目的とした介入による,脳腫瘍患者のバランス機能,歩行能力の改善効果を検討した.〔対象と方法〕左上下肢不全麻痺により歩行不安定性を呈した脳腫瘍患者1名に対し,肩甲胸郭関節の安定化訓練と立位,歩行訓練を40分の介入で5日間行わせた.肩甲骨アライメント,立位時の身体重心,バランス,歩行評価から治療効果を検証した.〔結果〕介入によって,立位,歩行時の肩甲骨アライメントは修正され,バランス機能,歩行能力は向上した.〔結語〕脳腫瘍不全麻痺患者に対して肩甲骨アライメントを修正する運動療法は,バランス機能,歩行能力向上に有効であることが示唆された.
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