2019 年 34 巻 1 号 p. 107-110
〔目的〕理学療法学における講義科目での基礎知識の定着の度合いを分析し,演習科目の展開について考察することを目的とした.〔対象と方法〕理学療法学科2学年前期講義科目と後期演習科目を履修した80名とした.講義科目で実施した中間試験および期末試験における基礎知識を問う問題を,関連する後期の演習科目の始講日に事前アナウンスなく確認テストとして実施し,知識の定着の度合いを検討した.〔結果〕中間および期末試験範囲のいずれも確認テストで点数は有意に低く,特に期末試験範囲で低かった.知識の定着の度合いは,前期の試験結果の7割程度であった.〔結語〕前期の単位が取得されていても知識は定着していないこと,さらに試験勉強の仕方により定着の度合いが異なることを前提に演習科目の展開を考慮する必要性が示唆された.