2019 年 34 巻 1 号 p. 97-101
〔目的〕Mirror Visual Feedback(MVF)を得ている間の鏡に隠された対象側手を,非対称側の運動と同期して動かすことが運動パフォーマンスの向上に有益か否かを明らかにすることとした.〔対象と方法〕健常成人30名を,MVFを得ている間に対象側手を脱力する群(MVF群),非対象側手と同期した運動を行う群(MVF+rotation群),コントロール群の3群に分け,ボール回し課題に要する時間の変化を評価した.〔結果〕MVF群のみ,介入前に比して介入直後,10分後,1日後においてボール回し時間の有意な減少を認めた.また,MVF群はMVF+rotation群よりも運動錯覚程度が強かった.〔結語〕MVFを得ている間は対象側手を脱力させておく方が効果があることが示唆された.