理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
症例研究
変形性股関節症術後患者における中殿筋の筋特性と歩行パラメーターとの関連
─寛骨臼回転骨切り術後9ヵ月で跛行が残存していた一症例─
井上 純爾澳 昂佑森 拓也田中 貴広加藤 丈博中野 英樹松木 明好木村 大輔川原 勲
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2019 年 34 巻 2 号 p. 265-270

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抄録

〔目的〕中殿筋の電気力学的遅延(EMD)を改善させる介入が Duchenne徴候に及ぼす効果について検証すること.〔対象〕寛骨臼回転骨切り術後9ヵ月経過した40歳代女性.本症例は患側の股関節外転筋力が徒手筋力検査にて4以上あるにもかかわらず歩行時にDuchenne徴候を呈していた.さらに患側中殿筋のEMDが健側と比較して延長していた.〔介入〕最大等尺性収縮運動を複数回実施させ,介入期間は5日間とした.〔結果〕介入後,患側中殿筋のEMD,立ち上がり速度,中間周波数が改善し,それに伴い歩行時の骨盤傾斜角および体幹傾斜角に改善を認めた.〔結語〕Duchenne徴候を呈する変形性股関節症術後患者に対して,等尺性収縮運動が中殿筋のEMDを改善させ,中殿筋のEMD改善と骨盤傾斜角の減少に関連を認めた.

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© 2019 by the Society of Physical Therapy Science
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