2019 年 34 巻 5 号 p. 575-580
〔目的〕虚弱高齢者のハンマー趾変形に関与する短趾屈筋(FDB)と長趾屈筋(FDL)の影響を確認するため,解剖実習体を用いて検討した.〔対象と方法〕解剖実習体5体9足を対象とした.両側の足趾部を剥皮後,第3趾を足根中足関節において離断し,FDB腱とFDL腱および関節包を温存し,それ以外の軟部組織を除去した.足趾底側面を台に接地した「接地条件」と,接地しない「非接地条件」の2条件で,FDB腱とFDL腱の牽引を行った.〔結果〕「接地条件」でFDB腱を牽引した際, 近位指節間関節の屈曲に伴い,遠位指節間関節は伸展した.〔結語〕「接地条件」と「非接地条件」では筋の作用が異なっていた.虚弱高齢者におけるハンマー趾の発生機序としてFDBの過活動が考えられた.