2020 年 35 巻 1 号 p. 129-132
〔目的〕ドローインによる側腹筋の筋厚と体幹の安定性について検討した.〔対象と方法〕若年健常者17名を対象とした.背臥位とストレッチポール(SP)上背臥位で安静呼気とドローインの筋厚を測定した.さらにドローイン運動後の片脚立位と歩行時の体幹動揺を計測した.〔結果〕ドローインでは外腹斜筋の筋厚は減少し,内腹斜筋は増加を認めた.背臥位とSP上背臥位の主効果はなく,交互作用は認めなかった.腹横筋の筋厚は,交互作用を認めた.運動後は片脚立位のみ総軌跡長の減少を認めた.〔結語〕ドローイン運動により片脚立位の安定性は向上した.ドローインは内腹斜筋と腹横筋の筋厚が増加し,腹横筋の筋厚はSP上背臥位でより増加する可能性が示唆された.