2020 年 35 巻 5 号 p. 711-718
〔目的〕リハビリテーション専門職(リハ専門職)の脳卒中後うつ患者に対する評価,介入の視点を明らかにする.〔対象と方法〕15名のリハ専門職に対し半構造面接を行い,テーマ分析にて脳卒中うつ患者に対する評価・介入の視点について抽出した.〔結果〕逐語録より73のコード,20の1次カテゴリ,10の2次カテゴリに分類された.評価は,患者の【悲観的な発言】や【気分の落ち込み】,【意欲の低下】といった日々の観察に基づく【うつ症状の現れる状況の整理】が抽出された.対応・介入は,【悲観的にならないための声掛け】や【自立度を向上させる介入】,【本人のペースに合わせた介入】が抽出された.〔結語〕リハ専門職は,日々の発言や評価からうつ症状の現れる状況を整理し,悲観的にならないための声掛けを行いながら日常生活動作の自立度向上に向け取り組んでいた.