2020 年 35 巻 6 号 p. 855-859
〔目的〕本研究は,運動療法が下肢末梢の経皮的酸素分圧(PtcO2)に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕循環器疾患を有さない健常成人20名を対象とした.レジスタンス運動(RE条件),有酸素運動(AE条件)の2条件に分けて運動療法を行い,各条件での経皮的酸素分圧の変動をモニタリングした.〔結果〕AE条件はRE条件に比べて運動時のPtcO2が有意に低下し,両条件において下肢のPtcO2とSpO2の変動に有意相関は得られなかった.〔結論〕単関節運動を伴うレジスタンス運動は,多関節運動を伴う有酸素運動と比較して,PtcO2の大きな低下をきたすことなく実施可能であった.