2021 年 36 巻 2 号 p. 191-195
〔目的〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による外出自粛された通所利用者への理学療法士による運動指導の効果を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は通所リハビリテーション利用者21名とした.対象の利用者に対し,通常理学療法として日々提供していた運動を担当理学療法士が自主トレーニング(自主トレ)として送付した.評価方法は自主トレに関するアンケート調査,Timed Up & Go Test(TUG),長谷川式認知症スケール(HDS-R)にて利用自粛前後を評価した.〔結果〕自主トレ実施群12名,自主トレ非実施群9名となった.TUGは自主トレ実施群で自粛前後に有意差はなかった.自主トレ非実施条件では自粛前後で有意に遅延していた.〔結語〕COVID-19による外出自粛が移動能力を低下させることと,理学療法士による運動指導が機能低下を予防できる可能性を示した.