理学療法科学
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症例研究
腎がん術後に対麻痺および右大腿切断となった患者が柔道整復師として復職に至った一例
須藤 大輔緒方 直史本田 祐士
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2021 年 36 巻 3 号 p. 473-477

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抄録

〔目的〕左腎がんに対する開腹腎摘除術後に,腹部大動脈局限性解離により,両下肢不全麻痺および右大腿切断に至った症例の復職支援について報告する.〔対象と方法〕対象は左腎がんの44歳男性である.職業は柔道整復師として開業している.両下肢不全麻痺と右大腿切断の重複障害に対し,シーティングや他職種が連携し復職支援を行った.〔結果〕普通型車椅子では仙骨・尾骨部の圧痛を認め日常生活動作(ADL)の拡大ができず,圧痛に対してシーティング外来にて車椅子作製の評価を開始した.従来のクッションでは対応困難であり,スポンジフォーム材を股関節角度に合わせ成型し疼痛緩和を図った.結果,疼痛は軽減しADL自立となり家屋,職場環境調整後,柔道整復師として復職した.〔結語〕車椅子シーティングや家屋,職場環境調整などを行い柔道整復師に復職した.

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© 2021 by the Society of Physical Therapy Science

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