理学療法科学
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症例研究
大胸筋ストレッチにより疼痛の破局的思考やうつ傾向も改善した両側上腕骨外側上顆炎の一症例
稲垣 郁哉柴 伸昌
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2021 年 36 巻 5 号 p. 743-746

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抄録

〔目的〕長引く両側上腕骨外側上顆炎があり破局的思考やうつ病も有する症例に対して,大胸筋ストレッチにより症状が改善した一例について報告する.〔対象と方法〕2年以上長引く両側上腕骨外側上顆炎を有する40代男性である.初期評価ではNumerical Rating Scale,Kraushaar & Nirschlの分類,上肢障害評価表(DASHスコア),Pain Catastropllizing Scale,Hospital Anxiety and Depression Scaleを用い,肘関節と手関節可動域(ROM)を実施,中間評価では肩関節ROM,Horizontal Flexion Test,肩甲骨外転率を追加し,最終評価は全評価を実施した.〔結果〕大胸筋ストレッチにより各評価項目が顕著に改善した.〔結語〕大胸筋ストレッチは上肢内旋位や肩甲骨外転率を減少させ,肩関節内旋可動域の改善に有効であり,上腕骨外側上顆炎に対して有用であると考えられた.また疼痛軽減に伴い心理的評価項目も改善した.

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© 2021 by the Society of Physical Therapy Science

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