理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
原 著
3週間入院運動プログラムによる線維筋痛症患者の心身の変化
─心理面談により明らかになった理学療法士の対応の重要性─
高井 範子藤田 信子池田 耕二金子 基史丸山 伸廣中原 理三木 健司高橋 紀代仙波 恵美子
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2022 年 37 巻 1 号 p. 45-58

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抄録

〔目的〕新たに考案した3週間入院運動プログラムによる介入前後の線維筋痛症(FM)患者の心身の変化を調査し,理学療法士(PT)の適切な対応を明らかにすることである.〔対象と方法〕FM女性患者12名を対象とし,医療や心理学などの専門家による共同チームが考案した3週間入院運動プログラムによる介入を行い,その前後において質問票(日本語版線維筋痛症質問票(JFIQ),日本版ベック抑うつ質問票(BDI-Ⅱ),The 8-item Short-Form Health Survey (SF-8))による評価と心理面談による聴き取りを行った.〔結果〕本プログラムによりFM患者のJFIQでは11名,BDI-Ⅱでは10名,SF-8では9名(身体面),8名(精神面)が改善を示した.患者の語りからは,患者の痛みや辛さに寄り添う姿勢など,PTの対応が患者にとり重要であることが示唆された.〔結語〕本プログラムはFM患者の心身に変化を及ぼす効果があり,その遂行において患者の痛みや辛さに寄り添うPTの姿勢が重要である.

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© 2022 by the Society of Physical Therapy Science

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