2022 年 37 巻 6 号 p. 531-535
〔目的〕ラット足関節拘縮に対する自由飼育の影響を明らかにすることである.〔対象と方法〕右足関節の最大底屈位固定と後肢懸垂を実施した後,8日目に固定を除去した.その後14日目まで関節固定を解除して自由飼育を7日間行う7日自由飼育群,自由飼育を6日間行う6日自由飼育群,自由飼育を行わない0日自由飼育群に分けた.〔結果〕固定解除8日目の3群間の足関節背屈可動域に有意差は認められなかった.実験最終日の14日目の足関節背屈可動域について,7日自由飼育群は他2群より有意に改善を認めた.6日自由飼育群と0日自由飼育群では有意差はみられなかった.〔結語〕後肢懸垂による非荷重状態よりも,自由飼育による足関節可動域改善が認められた.一方で自由飼育は,関節拘縮に対して過負荷となった可能性が示唆された.