2023 年 38 巻 1 号 p. 25-31
〔目的〕入門段階のクラシックバレエ指導法検討のため,ターンアウトが直立およびプリエ姿勢に及ぼす影響を検証した.〔対象と方法〕バレエダンサー13名と非ダンサー13名を対象とした.パラレルとターンアウトポジションでの直立とプリエ姿勢を矢状面から撮影し,姿勢角および外果を通る鉛直線から解剖学的計測点までの水平距離を算出した.〔結果〕バレエダンサーは非ダンサーと比較し,1番ポジション直立姿勢で姿勢前傾角度減少,頸椎伸展および剣状突起が前方に位置し,プリエ姿勢で姿勢前傾角度減少,頸椎伸展,骨盤前傾角度減少および剣状突起が前方に位置した.〔結語〕バレエダンサーは,ターンアウトで脊椎の屈曲伸展運動により鉛直的姿勢を保持することが示唆されたことから,入門者には脊柱可動性向上や骨盤傾斜運動を促す指導が有効と考える.