2023 年 38 巻 3 号 p. 201-205
〔目的〕トレッドミル歩行運動の速度差がパーキンソン病(PD)患者に与える影響を検討する.〔対象と方法〕PD患者23名に最大および快適トレッドミル歩行をそれぞれ実施し,その前後に10 m最大歩行を行って,歩行速度,歩幅,歩行率と歩行中の側方・垂直・前後二乗平均平方根(RMS)を比較した.〔結果〕歩行速度,歩幅,歩行率,垂直・前後RMSは,最大および快適トレッドミル歩行実施後に実施前と比べて有意に改善した.側方RMSは,快適トレッドミル歩行実施後に実施前と比べて有意に改善した.最大および快適トレッドミル歩行前後の変化率の比較では,全項目で有意差はなかった.〔結語〕トレッドミル歩行運動の速度差がPD患者の歩行能力に及ぼす即時効果に差はなく,どちらも歩行能力が改善した.