2023 年 38 巻 6 号 p. 421-425
〔目的〕動作開始合図と動作速度を変えた場合,跨ぎ動作の正確性に及ぼす変化について比較検討した.〔対象と方法〕健常若年者20名と健常高齢者10名を対象とし,三次元動作解析装置を使用して,右踵部離地から接地までの座標データを抽出した.合計8条件を,1個人で1条件につき10回,可能な限り同じ動作で実施した.ばらつきと定義した10回の平均軌跡からの逸脱値をとその標準偏差を,前方と前側方跨ぎ動作および若年者と高齢者で比較した.〔結果〕高齢者の前側方跨ぎ動作のばらつきにおいて,至適速度で合図開始した場合が,高速速度で任意開始した場合より有意差を認めた.一方,若年者と高齢者の間には有意差を認めなかった.〔結語〕高齢者は,動作開始合図と動作速度の変化によって,跨ぎ動作のばらつきに影響を及ぼすことが示唆された.