2025 年 40 巻 3 号 p. 142-147
〔目的〕寄り添いロボットⓇの使用が,最大重心移動距離と主観的安定感に与える影響について検討すること.〔対象と方法〕当院入院・外来患者15名に対し,重心動揺計を用いて最大重心移動距離,姿勢安定度評価指標(IPS),下肢荷重率を計測した.また,対象者の主観的安定感は主観的安定度評価尺度を評価した.計測は,本機器未使用時と使用時において2回ずつ計測し,それぞれの最大値を使用し比較した.〔結果〕本機器使用時で,最大重心移動距離(右と後方),IPS,下肢荷重率は有意に向上した.主観的安定度評価尺度に差は認めなかった.〔結語〕本機器の使用は,安定性限界域に近い状態までバランス負荷を課すのに有用であることが考えられた.