2025 年 40 巻 5 号 p. 196-200
〔目的〕訪問リハビリテーションを利用している脳卒中患者のBasic Activities of Daily Living(BADL)およびInstrumental Activities of Daily Living(IADL)を後方視的に調査し,男女別に訪問リハビリテーションの効果を検証した.〔対象と方法〕継続的に訪問リハビリテーションを利用している脳卒中患者40人(女性21人)を対象に,2023年4月と8月にBADLはFunctional Independence Measure(FIM)で,IADLをFrenchay Activities Index(FAI)で評価し,その変化を対象者全体および男女別に解析した.〔結果〕4月と8月を比較すると,FIM合計スコアは男女ともに有意な変化はなかった.FAI合計スコアは女性のみ改善していた.〔結語〕訪問リハビリテーションを利用している脳卒中治療後の自宅生活者の日常生活評価には,IADL評価の併用が有用である.加えて,IADLは性差を考慮したアプローチを検討することが重要と考える.