抄録
健康成年男性18名を対象にして、右上腕の血流遮断を6分間行わせ、前腕、手指部での深部温および皮膚温の変化について検討した。また、健康成年男性10名を対象にして、右手関節の掌背屈の自動および他動運動を6分間行なわせ、両前腕の深部温、皮膚温および心拍数の変化について検討した。
血流遮断では前腕部の深部温および皮膚温の変化はみられなかったが、手指部では低下を示した。自動運動時の運動側の深部温および皮膚温は運動開始とともに上昇したが、非運動側の深部温でもわずかな上昇がみられた。他動運動時の深部温は運動側では低下、非運動側では上昇した。自動運動時の心拍数は上昇、他動運動時では変化がみられなかった。しかし、変動係数は自動および他動運動時でも安静時に対して低下を示した。