理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
脳卒中片麻痺患者の歩行能力と姿勢反射機構検査
吉元 洋一
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1989 年 4 巻 4 号 p. 175-181

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抄録

本研究の目的は,脳卒中片麻痺患者100例の歩行能力を種々の因子について分析し,姿勢反射機構検査(PRMT)得点と歩行能力との関係について検討することである。男女別,麻痺側別および病型別歩行能力については推計学的に有意な関係を認めなかったが,70歳未満と70歳以上および発症後6カ月未満と6カ月以上との間に有意な関係を認めた(p<0.05)。また下肢ブルンストロームステージとの比較では,有意な相関関係(p<0.001)を認めるもステージIIIではバラツキが大きくなる傾向を示した。さらにPRMT得点との比較では,麻痺側・対側とも有意な相関を認め(P<0.001),両側の得点を知ることにより歩行能力を推測することが可能になった。

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