理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
肥満と運動療法および食事療法との関係
小室 透
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キーワード: 食事療法, 運動療法, 肥満
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1989 年 4 巻 4 号 p. 183-188

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抄録

肥満患者の治療は主に食事療法と運動療法より成る。このうち食事療法は患者の心理的不安定化,ホルモン動態の変化を引き起こす事が諸家により報告されている。我々の臨床例においても,食事療法の強化に伴う不定愁訴の増加,運動意欲の減少および日常生活における心拍数増加が認められる。これらの反応は結果的に1日のエネルギー消費を減少させると考えられる為,十分な配慮が必要となる。即ち,理学療法計画は患者教育を含めた包括的なものでなければ成らず,また,単に運動療法施行時のエネルギー消費量だけにとらわれるのではなく,1日の症例および研究結果を提示し,今後の肥満に対する理学療法計画の資としたい。

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