抄録
7種類の移乗パターンについて,介護者や介護機器が必要とする所要空間を定量的に計測・評価することで,介護機器の導入に伴う所要空間条件について明らかにすることを目的とした。所要空間の計測は移動位置計測システムにより実施した。介護所要空間で比較する限り,リフターの利用による移乗動作は広い空間を必要としていた。しかし当該機器の活用は介護負担の軽減を招来することが指摘されており,移乗手順の変更やリフターの設置位置,移動方法などを再検討することにより,介護所要時間の短縮や所要空間の縮小化が図られるものと考えられる。