抄録
健常者95名を対象として,CT-SCANNERを用いて大腿部を構成する各組織の断面積を計測し,加齢による筋萎縮について検討した。便宜上,年齢層を若年群・中年群・老年群の3群とした。絶対値において左右差は認めず,男女間ではすべての筋で男性が有意に大きかった。今回,個々の体格による筋断面積への影響を除外するために,大腿骨に着目し,その断面積と体重との間に高い相関関係(r=0.527,p<0.001)を認めたことから,骨断面積に対する各筋断面積の比率を用いることで正規化を行った。その結果,Key Muscleである大腿四頭筋に著明な加齢による筋萎縮を認めた。