理学療法科学
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片側性変形性股関節症患者の脚長差についての一考察
古木名 寿登
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1997 年 12 巻 2 号 p. 91-94

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抄録
片側性の変形性股関節症患者の脚長差について,最適な補高を検討することを目的とした。3cm以上の脚長差を有する片側性変形性股関節症患者4名(術前患者2名,術後患者2名)を対象とし,SMDでの脚長差,立位で重心位置が最も中心に近い補高の高さ(以下,立位での最適補高),歩行時に被検者が主観的に最適と思われる補高の高さ(以下,主観的最適補高)の関係について比較検討した。その結果,立位での最適補高は,全例SMDでの脚長差よりも低い値であった。主観的最適補高は1例を除き,SMDでの脚長差と立位での最適補高の中間の値であった。また,それぞれの補高時の脚長差を見ると,立位での最適補高時は平均1.5cm,主観的最適補高時は平均0.63cmであった。今回の結果から,片側性変形性股関節症患者において立位や歩行に影響を及ぼさない脚長差は,2cm以下であることが示唆された。
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