抄録
スポーツ障害の中でも足の障害は最も多く,疹痛を主訴として来院することが多い。足は人間にとって唯一地面に接する部分で,足の異常が近位関節に,また近位関節の異常が足に影響を与え,さまざまな障害を呈してくる。足の障害に対する治療は,足単独の障害として捉えるのではなく,身体全体の障害であるという認識をもたなければならない。そのためには,障害局所の解剖学的な位置の把握,詳細な足の評価を中心とした非荷重下での機能的な評価,身体重心との関連を考察する荷重下での機能的な評価を行う必要がある。そして各々の評価を関連づけて考察し,治療の方向性を探っていくことが大変重要である。