1998 年 13 巻 3 号 p. 151-155
スポーツ障害では当該部位の疹痛がmechanical stress過剰で生じることが多い。その理学療法では,3段階に分けて考えることは有効である。第1段階は,症状の中心である疹痛や炎症に対して施行するものである。また第2段階として,傷害された部位に対して行う通常の理学療法を,負荷部位のmechanical stressを軽減する目的で行う。第3段階としては,障害発生原因を追求し,身体要因を除去できるように展開する必要がある。その際に,肢位の違いで筋活動は全く違うこと,関節可動域制限や筋短縮は必ず他関節へ影響を与えること,単関節筋と多関節筋の運動対応の違うこと,外力が関節に要求するトルクを考慮に入れることが必要ではないだろうか。