2018 年 79 巻 2 号 p. 119-126
ムナグロナガレトビケラについて,奈良県紀ノ川中流において生活環を調査した結果,2014年11月から2015年5~6月までの越冬世代と,2015年6月から10月までの非越冬世代との2世代に明瞭に分かれていることが判明した。砂や砂利などの河床間隙に主に生息することが知られる本種幼虫は,本調査でも,I齢後期からV齢中期までは河床間隙から採取された。しかし,孵化直後であるI齢初期,蛹化前であるV齢後期と蛹の多くが,河床表面にある大礫表面を利用していることが明らかになった。