陸水学雑誌
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比較的高いカルシウム濃度を有する高浪池(新潟県)における夏期のカルシウム成層
湖水におけるカルサイト形成の可能性
福原 晴夫青柳 則子斎藤 優子佐藤 修
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1992 年 53 巻 4 号 p. 355-361

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抄録
青梅石灰岩地帯に隣接する高浪池(新潟県糸魚川市,最大水深14.4m,)のカルシウムの年平均濃度は18.7mg・l-1であり,調和湖沼中最も高い濃度を有し,夏期に強い成層を示す。1990年8月の表水層の平均濃度は16.6mg・l-1,水温躍層では20.4mg・l-1であった。表水層では6月から8月に光合成によりpHが8以上となり,カルサイトの過飽和層が出現した。カルシウムの成層,カルサイトの過飽和層の出現,5月から9月にかけての表水層各深度におけるカルシウム濃度とアルカリ度の比例的減少より,表水層中でカルサイトが形成されている可能性が強く示唆された。
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© 日本陸水学会
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