1998 年 59 巻 4 号 p. 457-464
韓国・洛東江における溶存銅の形態別組成を明らかにした。溶存態の銅は活性,結合,不活性の3つの形態に分けられた。溶存銅の全濃度は洛東江下流に向かうにしたがい増加した。全般的に,3種類の形態の中で最も優占していたのは不活性態で,次いで結合態であった。活性態の溶存銅の占める割合は小さかった。しかし,洛東江上流では活性態の占める割合が高かった。これは,その水域での高いイオン性物質濃度と低い溶存有機炭素濃度によって引き起こされていると考えられた。上流域では特に活性態銅濃度と溶存有機炭素濃度との間に密接な関係が認められた。